2021.06.27 13:00 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 2 | 終了 | 5 | 読売ジャイアンツ |
神宮 |
勝負を分けた“配慮”と“余裕”
巨人が敵地神宮でヤクルトとの上位対決に3連勝。今季初の7連勝で貯金を「12」に増やし、首位・阪神との差を「2.5」に詰めた。
巨人は初回に松原聖弥の先頭打者弾で先制すると、1-1の同点で迎えた6回に4番・岡本和真が勝ち越し3ランを放ち、これが決勝打。先発の髙橋優貴は6イニングを2失点にまとめ、ハーラートップタイの8勝目を掴んだ。
27日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた大矢明彦氏は、“両軍捕手のリード”をポイントに試合を解説。ヤクルト・古賀優大と巨人・大城卓三のインサイドワークについて、注目のシーンを交えて持論を展開した。
まずは巨人・岡本が決勝弾を放ったシーン。ヤクルトのスアレス-古賀バッテリーは同点の6回一死一・三塁の場面で3番・丸佳浩を3球三振に斬ってとったが、続く岡本に初球のカットボールを右翼席へ運ばれ痛恨の失点を喫した。
大矢氏は「初球を打たれたんですけど、その前の丸を3球三振で仕留めてしまった。ピッチャーからしたらそのままバッターを攻めていこうという気迫で投げてくるんですよね。(第2打席まで)2三振に打ち取っている岡本に対しては、キャッチャーが少し引かなきゃいけないんですよ。ストライクは投げさせてはいけない場面だった」と不用意な初球の入り方を指摘。
今季が高卒5年目となる22歳の古賀のリードについては「キャッチャーの仕事としては『あの場面はボールからでも良いんだよ』とかね、少し間をおいてから投げさせるとか、若いんですけど配慮がほしかったな」とアドバイスも交えて改善点を示した。
一方、巨人の大城のリードについては、1-1の4回無死一・二塁の場面で、第1打席に本塁打を放っていた5番・オスナを三ゴロ併殺に打ち取った場面をピックアップ。大矢氏は「オスナは内角のスライダーをホームラン打っていた。この打席どう攻めるか注目していた」という。
その注目の打席、髙橋-大城バッテリーは外角2球で追い込むと、3球目は外角のスクリューで誘い出しボール。カウント1-2からの4球目は打者の足元へ大きく外れるストレート。続く5球目も内角のストレートで三ゴロ併殺に仕留めた。
「0-2からスクリューでボールにいって、次に即勝負というよりは余裕を持って内角にいったりする。いまの1球を見たらアウトコースにいくようなところをもう1球インサイドで三ゴロ。よっぽど自分の読みが的確でないとインサイドって要求できないんですよ。今日ダブルプレーを2つとれたんですけど、こういうバッターを観察できるところとか、今年はだいぶ成長したなと思うリードでしたね」
大城が中学生時代に指導したこともあったという大矢氏。白星を手繰り寄せるリードについては、「だいぶプロのキャッチャーらしい駆け引きができるように成長したなと思わせてくれるリードだったので、それはちょっと嬉しかったな」と声を弾ませた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』