我が生涯の1カ月で一番調子が良かった
6月度の『大樹生命月間MVP賞』が7日に発表され、パ・リーグの投手部門は山本由伸投手、打者部門は杉本裕太郎選手と、それぞれオリックスの選手が受賞した。
初受賞となった杉本は、6月は打率.385、5本塁打、19打点、出塁率.438、得点圏打率.368と、主にチームの4番として活躍。受賞を受けての会見で「奇跡のような1カ月だったというか、我が生涯の1カ月で一番調子が良かったです(笑)」と笑いをとると、「自分の中でも調子が良かったですし、甘い球のミスショットもあまりなく、打点もけっこう稼げた。ただ、1番、2番、3番がたくさん塁に出てくれてたので、常に得点圏で回ってきて、そういう機会が多かったから。チームメイトに感謝しています。前後のバッターが打ってくれるので、あまり気負うことなく、気楽に打席に立てた」と好調の理由を振り返った。
印象に残っている試合には山本が登板した6月11日の広島戦を挙げ、「0-0で、7回に満塁でタイムリーを打てて、それで由伸が頑張って抑えてくれて、2人でヒーローになった日が一番印象的です」と、横にいる由伸を見ながら話すと、最後に「出来過ぎた成績。こんなに上手いこといくとは思っていないし、まだ半分。ここから暑い時期も来るので、何とか最後まで怪我をせずに調子を維持して、数字は気にせずチームの勝ちに貢献したい」と、力強い言葉で締めくくった。
一方の山本は、4試合に登板して3勝0敗、防御率0.64と抜群の安定感を披露。自身2度目の月間MVP受賞には、「1カ月しっかり頑張れたということで、嬉しいです」と笑顔を浮かべ、「(伏見)寅威さんも毎回いいリードをしてくださってますし、僕の試合は杉本さんがよく打ってくださるので、本当に周りの選手の方だったり、監督、コーチを含めていろんな方々のサポートがあっての結果だと思います」と、こちらも横にいた杉本を称えた。
5月は勝ち星に恵まれなかったが、6月に関しては「調子を取り戻して、いい状態で投げられてる。点を早くとってもらって気楽に投げられているので、本当に野手の方のおかげ。チームも上位に上がるまで、いいところにずっといたので、何とかチームのためにということを忘れず、全力でやっていました」と振り返った。
また、「6月でオリックスも首位に立ちましたし、オリックスとしてもいい1カ月を過ごせた。残り半分ありますので、しっかりチームの戦力になって、首位をキープ出来るようにチャレンジャーの気持ちで投げていきたい。しっかり1試合1試合を全力で投げることを忘れず、いい状態で残り半分戦い抜けるように」と、後半戦に向けた意気込みも口にした。
チームメイトに対する感謝の言葉を口にしたエースと4番だが、彼らが月間MVPを獲得するほどの活躍を見せたからこそ、首位にまで登りつめたと言っても過言ではないだろう。前半戦の首位ターンに向け、投打の軸となる両選手のさらなる活躍に期待したい。
取材・文=どら増田