紆余曲折を乗り越えて
オリックスは8日の楽天戦に高卒5年目の山崎颯一郎を先発で起用。今年一軍デビューを飾ったばかりの右腕に連敗ストップを託す格好となった。
初先発となる山崎颯は「チャンスが回ってきた。いいピッチングをしてやろう!出し切ろうと思っています」と、待ちに待った先発のマウンドが待ちきれない様子。ここまでを振り返って「長かった。5年目なんで」と語りつつ、「トミー・ジョンも挟んで、今やっとチャンスが来ているので、決して遠回りじゃなかったと思えるようなピッチングをしたい」と、紆余曲折を経て辿り着いた今回の登板機会に意欲を見せる。
2019年8月にトミー・ジョン手術を受け、一度は育成契約になったが、「自分がまだキャッチボールが出来ない状態で試合を見ていると、同級生の由伸とか榊原とか、後輩の宮城とかが投げているのを見て、キツイというか、このまま腐ってられない、もっと練習して、投げられるようになりたいという気持ちはありました」と、同級生や後輩の活躍を糧に汗を流してきた。
リハビリを経たことにより、球速もアップ。「ケガ前は149キロがMAXだったんですけど、今は153キロがMAX。もっともっと強い球を投げたい」とさらなる高みを目指すが、8日の試合では「いつも通り、自分のピッチングというか、低めに。身長があるので、角度を生かしたピッチングをしたい」と意気込んだ。
5月に初昇格した際には、1イニングを無失点に抑えているが、「自信になったというか、逆に足りないものが見えたので、それをファームで練習してきました。ある程度低めに球を集めるというのと、フォークとかも一軍ではまだ使ってないですけど、ファームでは投げられるようになったので」と語り、初先発のマウンドで進化した姿を披露するつもりだ。
オリックスのイケメンランキングでは常にベスト10に入る右腕が、プロ初先発のマウンドでさらなる人気者となれるのか、注目だ。
取材・文=どら増田