2021.07.08 18:00 | ||||
オリックス・バファローズ | 1 | 終了 | 1 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
京セラD大阪 |
指揮官も今後の成長に期待
オリックスは、高卒5年目の右腕・山﨑颯一郎が8日の楽天戦にプロ初先発。楽天の岸孝之と投げあって5回を81球、3安打、無失点と好投した。
序盤は両右腕の投げ合いとなったが、5回裏に「颯一郎が頑張って投げていたし、なんとか勝ちを付けたいと思っていた」という“女房役”の若月健矢がレフト5階席に飛び込む2号2ランを放ってオリックスが先制。この得点で山﨑颯に勝利投手の権利が転がり込んだが、6回から登板した2番手の村西良太が浅村栄斗に9号ソロを被弾し、プロ初勝利はお預けとなった。
プロ初先発となった山﨑颯は「思っていたよりも緊張はしなかったですし、初登板の時に比べれば周りも見えていて、いい集中力で投げることが出来た」と振り返り、「初先発で5イニングを無失点に抑えられたことは自信にはなりますが、若月さんがいいリードで引っ張ってくれましたし、バックの守備に助けてもらったおかげ」と野手陣に感謝。「1アウトを取ることがこんなにも大変なのか」と感じたことを明かし、四死球や決め球の精度、球数の多さなどを反省点に挙げた。
その山﨑颯のピッチングについて、中嶋聡監督は「良かった。本当に自分のボールを投げ込みましたし、前回投げたファームで球数的にも90ちょっとなんで、良くなりました」と評価。トミー・ジョン手術を受けるなど、紆余曲折を経験した右腕の成長した姿に「怪我をした試合も(二軍監督を)やってた時だった。まさか目の前であんなことが起きるとは思ってなかったんで、それがここまで投げて、本当に嬉しいし、これからのいい戦力だと思います」と感慨深げに語った。
さらに、「球数的にもう少し投げられるようになったら、いろんな意味でいろんなことを覚えていったら、いけると思います」と続け、今後の更なる活躍にも期待を寄せた。
試合は、3番手の山田修義、4番手の澤田圭佑、5番手の富山凌雅が無失点リレー。山田は回跨ぎ、澤田は最速155キロを記録し、富山は連日の5失点となった9回をピシャリと抑えたが、打線も楽天の中継ぎ陣を攻略出来ず、1-1の引き分けに終わった。7月の『Bs夏の陣2021』は0勝2敗1分けに終わり、初白星はオリンピックブレイク明けとなる8月17日以降の主催試合まで持ち越しとなっている。
楽天との3連戦で1勝も出来なかったことについて、中嶋監督は「打つ方と守る方のバランスが今回はあまり良くなかった。踏ん張りどころですし、あと5試合、めいいっぱい行くしかない。疲れている選手もいると思いますけど、頑張ってもらうしかない」と、オリンピックブレイクを見据えつつ前を向いた。首位に立つオリックスは移動日なしで、9日から福岡に乗り込み、ソフトバンクとの3連戦に臨む。
取材・文=どら増田