「メジャーにも行きましたし、2000本安打も打ちましたから」
セ・リーグ首位で前半戦を終えた阪神だが、14日の試合は本拠地でDeNAに完敗。
オールスター前までの84試合で48勝33敗3分と15の貯金を作りながら、ホーム・甲子園では21勝20敗2分と勝ち越しをひとつしか作ることができなかった。
聖地・甲子園で8カード勝ち越しなし…。
嫌な流れを食い止めるべく、1勝1敗で14日の試合に臨んだ阪神だったが、DeNA先発の今永昇太を前に7回まで4安打と打線が奮わず。近本光司の一発で挙げた1得点のみで、1-3で終盤戦へ。
1点を追加されて3点差とされた直後の8回裏、2番手の山﨑康晃からようやく連打が出てチャンスを作ると、糸原健斗もセンター弾き返す安打で続いてこれが適時打。2-4と詰め寄り、なおも二死ながら満塁のチャンス。
一打同点のチャンスに、ジェリー・サンズは低めをしっかりと見切って四球。押し出しをもぎ取り、3-4と1点差で打席にはゴールデンルーキー・佐藤輝明。
タイガースファンの熱視線を背に、左腕の砂田毅樹に挑んでいったが、最後は速球を捉えきれずに空振りの三振。この日3個目の三振を喫してしまい、反撃はここまで。
9回は三嶋一輝に対して二塁まで走者を進めるもあと一本が出ず、3-4の1点差負け。前半戦最後のカードも、ホームで勝ち越すことはできなかった。
とはいえ、開幕からの快進撃でセ・リーグを大いに盛り上げ、2位・巨人に2ゲームの差をつけて中断期間に入った阪神。なかでも大きな話題となったのが、ドラフト1位ルーキー・佐藤輝明の活躍だろう。
この日の3三振でシーズン121個目の三振となり、1999年に福留孝介(中日)が記録した新人のワースト記録に前半戦で並ぶこととなったが、84試合の出場で打率.267、本塁打はリーグ4位の20本。打点52もリーグ4位と、プロ1年目から見事な活躍を見せ、チームの首位躍進に貢献した。
14日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した達川光男氏は、佐藤の三振記録について「心配は心配なんですが…」と前置きしつつ、「(14日の試合も)すべてスイングしての三振だったんですが、福留もそういう選手でしたよね」と“偉大な前例”に言及。
つづけて、「福留はメジャーにも行きましたし、2000本安打も打ちましたから。佐藤も怖がらずにどんどん振って行ってもらいたいですね」とコメント。
一見、不名誉にも感じられる“三振”の記録ではあるが、大きく羽ばたいて行った大先輩のように、輝かしい未来へ向けてこのまま突き進んで行ってもらいたいと願った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』