◆ ライバルの成長もサポート
無類の勝負強さを発揮し、前半戦のチームを支えた大和が23日、球団施設DOCKでの練習後に行われたオンライン取材に応じた。
前半戦は二遊間を守る倉本寿彦と柴田竜拓が怪我のため相次いで離脱する中、内野の要であるショートでスタメンを張り続けたが「オールスター休みの期間が2~3日あったので、そこでだいぶ身体の面で落ち着いた」とフィジカルはすでに回復した様子。後半戦を見据え「シーズンに向けて強度を上げていかなくては」と、すでに心は実戦モードに入っているようだ。
一度復帰した柴田が再び怪我で抹消されたこともあり、7月10日には2年目のホープ・森敬斗が登録され、11日からは「2番・ショート」で4試合スタメン出場した。
森に関しては「いい意味で刺激をもらっていますし、自分の若い頃と照らし合わせて、色々な感情が出てきているかな」と心境を明かし、「若いときは全然怖さとかがなく、自分が思うままのプレーをしていた思い出がある。(森の)年齢を重ねる前の、怖さがないプレーを見て羨ましいなと思う反面、色々な経験をして成長していくのかなと見守っています」と“親心“も垣間見せた。
12日の阪神戦では森が悪送球しピンチを招いたが、「肩が強いからとか(原因は)色々あるんですが『足を使って楽に投げた方がいいよ』」とアドバイス。名手目線で金言を送った。
「能力の高い選手ですし、ベイスターズを背負っていかないといけない選手。守備に関しても数試合でハンドリングの上手さが見えましたし、肩の強さや一軍の選手にあまりないスピードも持っているので、すごく魅力的」と高いポテンシャルを認め、「自分にできるアドバイスはどんどん教えていきたい。成長して欲しい思いが一番ですね」とサポートを惜しまない姿勢だ。
ポジションを争うライバルでもあり「もちろん負けたくない気持ちはあります」と簡単に若手に定位置を譲る気はないが、「自分の場合は任されたことをやるだけ。素直に受け止めてやっていきたい」と淡々と語る。
開幕直後はサポート役に徹し、その後は怪我人の穴を埋めるとともに、バットでも得点圏打率.408と仕事人ぶりを発揮した大和。後半戦も若いベイスターズには、影に日向に動き回る最年長のベテランの働きは重要だ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)