「宮城も頑張って投げていた」T-岡田が援護!
オリックスが投手戦を制して4連勝。
高卒2年目の19歳左腕・宮城大弥がこの日も7回無失点と好投を見せ、早々にカード勝ち越しを決めた。
西武先発・今井達也も素晴らしい投球を続け、5回まで10個のゼロが並ぶ緊迫の展開。
オリックスは6回裏の攻撃も上位が連続三振で二死となるも、4番の杉本裕太郎が安打で出塁すると、T-岡田は1ボール・2ストライクと追い込まれながらも高めの速球を執念でライトへ。
「追い込まれていたので、なんとかコンパクトにつないで行こうと思っていました。宮城も頑張って投げていましたし、先制点になってくれて良かったです!」と振り返った一打は、もう少しで本塁打というライトフェンス直撃の二塁打。杉本が一塁から激走で生還し、ついに試合の均衡が破れる。
先輩からの援護を受けた宮城は、直後の7回表も一死二塁とピンチを迎えたが、冷静に後続を斬ってリードを死守。
慎重に球数を要しながらも7回を102球、被安打5・与四球1の無失点でまとめてマウンドを降りた。
その後、オリックスはタイラー・ヒギンスが8回に二死満塁という絶体絶命のピンチを執念でしのぐと、8回裏に一死満塁のチャンスでT-岡田が押し出しの死球。
待望の追加点が入ると、9回は守護神の平野佳寿が3人でピシャリと締めて逃げ切り成功。
2-0で勝ったオリックスは連勝を「4」に伸ばし、2試合でこのカードの勝ち越しを確定。先発・宮城はハーラー単独トップとなる11勝目を挙げた。
指揮官も「しんどいゲーム」
「調子はあまり良くなく、最初の方は投げている感覚もバラバラだった」と振り返った宮城。
ヒーローインタビューでは、打のヒーロー・T-岡田に「もっと勝てよ」とエールを送られて笑顔を見せるシーンもあったが、苦しみながらも7回無失点の好投はチームにとって頼もしい限り。
粘ることができた要因については「途中でプレートの位置を(相手の)左右関係なく同じにするなどして、リセット出来たと思います」と振り返り、「苦しい場面の多いピッチングでしたが、クレ(紅林弘太郎)とか宜保(翔)とか野手の方に助けてもらいながら、なんとか踏ん張れたことは次につながってくれると思います」とバックへの感謝も口にした。
試合後、中嶋聡監督は「本当にしんどいゲームだった。守備がよく頑張りましたよね。ダブルプレーも取れましたし、どんどんピッチャーを助けてほしい。打つだけじゃないんで」と語り、宮城も感謝を述べた紅林や宜保をはじめとする好守を高く評価。
宮城についても、「宮城が頑張って、こういう流れになったと思う。最初はあまりにも良いところに行き過ぎていたのが、逆にゾーンの中で高さを変えたりできるのは大きい」と、調子が良くないなかでの力投を讃えた。
依然として混戦模様が続くパ・リーグ。前半戦首位ターンを決めたオリックスは、後半戦も6試合で5勝1敗と幸先の良い滑り出しを切った。
残る51試合を戦い抜いた先に、25年ぶりの歓喜があると信じて。猛牛軍団は勝負の8月戦線を先頭で突き進む。
取材・文=どら増田