2番手投手の存在
首位・オリックスと4ゲーム差の3位・ロッテ。前カードのソフトバンクとの3連戦では、先発投手の後を受けて登板したリリーフ陣が相手に傾きかけた流れを断ち切った。
初戦は5回まで無失点に抑えていた先発・二木康太が2-0の6回に柳田悠岐、栗原陵矢に連続適時打を浴び同点に追いつかれ、なお二死一塁という場面で田中靖洋が登板しデスパイネを遊ゴロに打ち取った。
続く2戦目も5回まで1失点に抑えていた美馬学が、6回に4点を失い二死一塁の場面で東妻勇輔がマウンドに上がり、今宮健太に安打を許したものの、松田宣浩を遊ゴロに仕留めた。
3戦目も2-1の5回に、先発・ロメロが3番・柳田に犠飛、続く4番・栗原に二塁打を浴び、一死二、三塁となったところで東妻が登板。東妻はデスパイネ、中村晃を連続三振に仕留めピンチを脱した。
この3連戦だけでなく、田中、東妻は走者を残し降板した先発投手の後を受けて登板することが多い。田中は7試合、東妻は4試合で、イニング途中(先発投手の後に限る)でマウンド上がっている。
田中は7試合中許した安打は2本。その他の5試合は無安打に抑え、先発投手が残した走者を生還させたのも、安打を打たれた2試合だけだ。東妻も先発・本前郁也の後を受けて登板した7月3日の楽天戦で、先発投手が残した走者を還してしまったが、その他の3試合はしっかりと抑え込んでいる。
東妻はピンチの場面で登板するときは、「本当になんとかなると思って投げているので、ランナーが出ていようが出ていなかろうが、自分のピッチングをするだけだと思って投げています」(7月上旬のオンライン取材)という心構えでマウンドに上がっている。
ピンチのあとにチャンスあり!?
相手に流れが傾きかけたところを封じ、その直後のイニングで大量得点に繋がるということも多い。
4月3日の日本ハム戦では、2-2の6回裏二死一、三塁となったところで先発・美馬学の後を受けて登板した田中が、西川遥輝を投手ゴロでピンチを切り抜けると、直後の7回表に打者一巡の猛攻で5点を奪い勝ち越しに成功。
5月2日の楽天戦も、1-3の5回裏に先発・鈴木昭汰が1点を失い、なお二死一塁の場面でマウンドに上がった田中が“ゼロ”に抑えると、直後の6回表に角中勝也の適時打、レアードの一時逆転となる3ランが飛び出すなど一挙4点を奪った。
最近では8月21日のソフトバンク戦がそうだ。0-5の7回に藤原恭大、中村奨吾の適時打なので一挙5点を奪い同点に追いつき、5-5の9回に3点を勝ち越し勝利した。
先発投手がイニング途中でマウンドを降りるときは、大体流れが相手チームにいきかけている場面。そこを封じるのは難しいところではあるが、マリーンズのリリーフ陣はその役割を果たしている。
文=岩下雄太