気になる“感覚のズレ”
首位・阪神に「1」ゲーム差と迫り、奪首も見えていた巨人だったが、26日の試合は広島相手に大敗。
7月1日に3回途中KOされて以来の一軍登板となったエース・菅野智之は、6回を投げて3発浴びるなど、5失点と試合を作ることができず。キャリア初の4連敗を喫している。
注目の立ち上がり、一死から西川龍馬に安打を浴びると、もう一死を挟んで4番・鈴木誠也に外寄りのスライダーをバックスクリーンに叩き込まれ、いきなりの2失点。
さらに続く坂倉将吾には2ボール・2ストライクと追い込みながら、甘く入った速球を完ぺきにとらえられてライトスタンドへの2者連続アーチ。
後半戦の初登板はいきなりの2被弾・3失点という不安なスタートとなる。
その後、2回から5回にかけては毎回奪三振の1安打・無失点と立ち直りの兆しを見せていたが、6回に坂倉に安打を浴びると、二死から菊池涼介に痛恨の被弾。
初回と6回の計3被弾が響き、この日は6回を95球、被安打6、与四死2の5失点。リリーフ陣も打ち込まれ、チームは2-11の大敗となり、菅野に今季5敗目(2勝)がついた。
なかなかトンネルの出口が見えてこない巨人のエースについて、解説陣はこの日の投球をどう見たか…?
26日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した井端弘和氏は、“感覚のズレ”を不振の要因に挙げる。
この日の投球を振り返り、「結果論なのかもしれないが、キャッチャーの構えよりも内に入ってしまうという。本人が『ここで離せばそこに行く』というリリースポイントから、曲がりが悪くなっているのを痛打されてしまっているなという印象ですね」とコメント。
つづけて、「これまでなら少し甘くなってもファウルになったり、球威で押すということができたと思うんですけど、今は甘くなったらひと振りで弾き飛ばされて、それが失点に繋がっている」とし、この日も3発で5点を奪われているように、甘く入ってしまうミスが本塁打という致命傷になっている点を挙げ、「投げてみて良くなかったら抹消、の繰り返しにならなければいいなと思いますね」と苦しむ背番号18を心配する。
また、番組に電話出演した谷沢健一氏も、「ストレートがもう少し走っていないね」と投球の柱となるボールの不調について指摘。
その不安から、「コントロールミスをしたらいけないという意識が強すぎて、外にスライダーを置きに行っているような投球になってしまっている」という悪循環の中にあると現状を推察したうえで、「もう少し時間がかかるんじゃないかな…」と語った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』