主軸躍動、ベテランも執念の一打
勝負の9月戦線、セ・パともに激しさを増している優勝争い。
首位・阪神を追いかけるセ・リーグ2位のヤクルトは11日、神宮で行われたDeNA戦に9-2で快勝。初回に村上宗隆やホセ・オスナの適時打などで一挙4点を挙げて勢いに乗ると、終盤も攻撃の手を緩めずに9得点で押し切った。
試合後、高津臣吾監督は「久しぶりに神宮に帰ってきて、ぜひ勝ちたいと思っていましたし、良い形で先制できて、良いゲームだったんじゃないかと思います」と振り返る。
東京五輪・パラリンピックが開催されていた関係で、実に7月10日以来となる本拠地・神宮球場での試合。指揮官は“ホーム帰還”の最初の攻撃で4点を奪った攻めの姿勢を讃えつつ、終盤の7回・8回に2点ずつを加えた点についても、「最近は本当につながりが良く、効率良く四死球がとれたり、打ってつなぐこともできている」とコメント。「打線の状態はすごく良いのかなと思います」と手ごたえも口にしている。
3回に1点を挙げて以降、中盤からはゼロが続いていた中で、7回は途中出場の荒木貴裕が二死満塁からセンターへ運ぶ2点適時打。相手の心を折る一打を放った34歳は、「追加点がほしい場面だったので、何としてもという気持ちでした」とコメントにも執念をにじませた。
激しい三つ巴の争いは、首位・阪神が勝利したためその差は「3」で変わらず。一方、敗れた3位・巨人との差が1ゲームに開いた。
ヤクルトは11日のゲームが今季の103試合目。泣いても笑っても残るは40試合…。逆転優勝に向けて、この先も負けられない戦いは続く。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)