「結果を気にしないで打席に」
最後は笑顔のフルスイングだった。今季限りで現役引退を発表したヤクルトの雄平が30日、ファーム最終戦となる楽天戦(戸田)に代打で出場。8回の先頭で登場し、雄平らしい思い切りの良いスイングで集まったファンをわかせた。
「結果を気にしないで打席に入ったのは人生で初めてだったので、そういった意味で何とも言えない緊張感がすごくありました」。
同級生の牧田和久と対戦。1球目のストライクを見逃し、2球目がファウル、3球目は空振りし、結果は空振り三振に終わったが「振っていくのが僕のスタイル。最後までそれは貫けたと思います」と、振り返った。
平日の昼間にも関わらず、多くのファンが球場に駆けつけた。雄平自身も「ファンの皆さんに自分の姿を感謝の気持ちを込めて見せるという、それだけのために出させてもらった試合」と、気持ちを込めて打席に向かった。
試合前の全体練習ではいつも行っているという“投手”雄平として「いつもより強め」に投げ込んでゲームに臨んだ。投手として入団して18勝。その後、打者に転向してここまで881安打を重ねてきた。
試合後はチームメイトに胴上げされ、グラウンドを去る背番号41は最後まで輝いていた。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)