◆「人を育てることって、氷が溶けるよりゆっくりなんですよ」
優勝マジックを「2」としていたヤクルトが26日、横浜スタジアムで行われたDeNA戦に5-1で勝利。同日の試合でマジック対象チームの阪神が中日に敗れ、6年ぶり8度目となるリーグ優勝を決めた。
今季のヤクルトはホセ・オスナとドミンゴ・サンタナの両助っ人の働きだけでなく、4年目の塩見泰隆がリードオフマンに定着し、打線の底上げに成功。
先発投手陣も主戦級のパフォーマンスを見せている高卒2年目の奥川恭伸をはじめ、優勝を決めた試合で勝利投手となった高橋奎二など若手投手が台頭し、加入2年目でチームに欠かせないリリーバーとなった今野龍太、ブルペンの一角として奮闘している2年目の大西広樹など、選手の成長とともに白星を掴んだ戦いぶりが目立った。
26日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した大久保博元さんは「人を育てることって、氷が溶けるよりゆっくりなんですよ」と独特の言い回しで選手育成の難しさについて言及。現役時代にNPBのみならずアメリカ、韓国、台湾、日本の独立リーグと、多様な野球を経験した高津臣吾監督が“忍耐力”をもって選手育成に向き合っているとの見解を示した。
高津監督は胴上げ直前に円陣を組み、選手へ祝福の言葉を送っていたようで、その姿を見た大久保さんは「氷ってなかなか溶けないからイライラする。それを乗り越えるまで、溶けきって使えるようになるまでもう少しなのに、辛抱できずに怒っちゃったりする。そういうのをせずに、心から『おめでとう』と言える」と、指揮官の姿勢を称賛。
「このチームはまだ溶けきっていない選手もいっぱいいる。それでもそこをじっと待つことができた監督だなと感じた」と、就任2年目でチームをリーグ制覇へ導いた高津監督の手腕を評していた。