豊富な先発投手を軸に前評判は高かったものの…
「2021 パーソル クライマックスシリーズ パ」のファーストステージ第2戦(ZOZOマリン)が7日に行われ、引き分けで今ステージの対戦成績を1勝1分けとしたロッテがファイナルステージ進出を決めた。楽天は2戦連続の逃げ切り失敗でファーストステージ敗退。2021年シーズンが幕を閉じた。
リーグ3位で2年ぶりにCS進出を果たした楽天だったが、レギュラーシーズンで9勝15敗1分けと大きく負け越した2位のロッテに返り討ち。シーズンを通してしぶとい戦いは見せたものの、大きなインパクトは残せず終戦となった。
田中将大がメジャーから復帰し、昨秋のドラフトでは目玉だった早川隆久の獲得に成功。厚みを増した投手陣を軸に戦前の評価は高かったものの、打線の核と見込んでいた外国人野手が共倒れするなど誤算も多かった。
若手の躍進も乏しかった。シーズンを通して「1番・中堅」での活躍が期待された辰己涼介は、開幕戦で先頭打者弾を放つなど好スタートを切ったものの4月以降は低調なパフォーマンスに終始。3年目で初の規定打席到達を果たしたシーズン自己最多の10本塁打と非凡なパンチ力は見せたが、打率はリーグ最下位の.225と安定感を欠いた。
辰己とともに開幕前の練習試合やオープン戦で積極起用され、ともに開幕スタメンに名を連ねた田中和基と小郷裕哉は揃って打率1割台でシーズン終了。助っ人陣の出遅れで巡ってきたチャンスを生かせず、復活した岡島豪郎にポジションを奪われた。
オコエ、岩見、横尾は本塁打ゼロ
右の若手大砲不在も深刻だ。レギュラーシーズで右打者が放ったチーム本塁打数は計32本だが、そのうち18本は浅村栄斗。生え抜きでは太田光の4本が最多で、次点は内田靖人と村林一輝の各1本と寂しい結果に終わった。
シーズン後半から出番を増やしたオコエ瑠偉は、42試合の出場で打率.223、0本塁打、6打点。入団4年目の岩見雅紀は一軍出場わずか4試合にとどまり、開幕前にトレードで加入した横尾俊建は30試合の出場で打率.180、0本塁打、3打点に終わった。
投手陣は、後半戦に息切れしたもののドラフト1位の早川が9勝をマーク。2年目の瀧中瞭太は自身初の2ケタ勝利(10勝)を達成した。救援陣では安樂智大がチーム2位の58試合に登板し防御率2.08をマーク。33試合に登板した西口直人は、ロング救援メインで防御率3.28を記録するなど飛躍のシーズンを送った。
野手でも、山﨑剛が終盤に遊撃のポジションに定着するなど明るい話題もあったが、今季最終戦となった7日のCS第2戦の先発メンバーの平均年齢は30.4歳と高め。2013年以来のリーグ制覇&日本一へ、若手のさらなる飛躍が求められる。