2021.11.10 18:00 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 4 | 終了 | 0 | 読売ジャイアンツ |
神宮 |
デビューからちょうど1年…圧巻の完封劇
勝利を確信し、両腕を挙げて喜びを表現した。ヤクルトの奥川恭伸が10日、神宮球場で行われた『JERAクライマックスシリーズ セ』ファイナルステージ第1戦に先発し、巨人を相手に4-0の完封勝利を収めた。
ファイナルステージ突破へ、チームに勢いをもたらす投球を見せた。
「重要な試合だったので、気持ちもいつもより入っていた」という奥川。持ち味のストレートに加え、スライダーやフォークなど変化球も冴え、98球を投げて6安打9奪三振、無四球の快投。レギュラーシーズンでもなかったプロ初完投、完封勝利に「まさか9回までいけるとは思わなかった」と振り返った。
初回の好走塁で先制のホームを踏んだ塩見泰隆には「すご過ぎて何も言えない」と言わしめた20歳の右腕は、「攻める」気持ちを忘れず巨人打線に向かっていった。
5回は二死一、三塁のピンチを招いたが、代打の八百板卓丸を渾身のストレートで見逃し三振に切って取り、背番号11はマウンド上で吠えた。
「投げる試合は自分がエースだと思って投げている」。まさにツバメのエースと呼べる投球だった。
1年前の今日、11月10日は一軍デビューを果たした日。3回途中5失点で降板し「悔しい思いをしていた。何とか抑えたかった」と、1年後に見事借りを返した。
日本シリーズ出場へ大事な初戦をものにしたヤクルト。若き右腕がもたらした1勝はとてつもなく大きい。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)