小田のバスターで劇的決着!
クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦はオリックスがロッテと引き分けて25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。
オリックスは1点を追う9回、ロッテの守護神・益田直也に対し先頭のT-岡田が右前打で出塁すると、続く安達了一は初球の送りバント失敗からヒッティング切り替え、左前打を放ち無死一、二塁と好機拡大。続く小田裕也はバントの構えからバスターで一塁線を破る適時二塁打を放ち、最後は2者連続の強攻策で劇的な“引き分けサヨナラ”となった。
12日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した金村義明さんは「今日のゲームは最初から最後まで見どころ満載で長い試合でしたけども引きずり込まれました」と振り返り、「今日は完全にロッテの勝ちゲームなんですよ。それをも上回ってしまった全員野球。9回裏の攻撃が象徴していましたね。驚きました」と2度リードを奪われながらも追いついたオリックスの粘りを称えた。
9回の無死一塁からの2者連続の強攻策については「T-岡田が追い込まれてから上手く拾って、バントの上手い安達が初球失敗したんですよ。失敗してすぐにヒッティングに切り替えて大成功でしたよね。(安達が送っていたら)ピンチヒッターで頓宮だったんですが、安達がつないだので、そのまま小田ということになった」と状況を説明。
小田のバスターの場面は「ロッテベンチは100パーセント、120パーセントバントだと。決めてかかりましたよね。(外国人選手の)エチェバリアもいるので(バントシフトの)サインが出ているにもかかわらず、またピッチングコーチがマウンドに行って確認作業をして間合いがあった」と言及し、「その時に一球目からいわゆる「ブルドック」というバントシフト(一塁手、三塁手が投球と同時にチャージして二塁走者を三塁で封殺する)を敷くということを見抜いた中嶋監督がバスターですよ。バスターを決めた小田も見事でしたが、あそこで作戦を切り替える采配は見事でしたよね」と勝負所での決断を称賛した。
同じく解説を務めた大矢明彦さんも「なかなかできない作戦ですよね。シフトの裏を突くという気持ちを固めないとバスターのサインは出せないので、そういう意味では中嶋監督は大勝負に出ましたよね。それが見事に当たったと思いますね」と同調した。
“引き分けサヨナラ”で対戦成績を3勝0敗1分け(優勝アドバンテージ1勝含む)としたオリックスは25年ぶりとなる日本シリーズ進出。日本シリーズではセ・リーグ王者のヤクルトと激突する。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』