2021.11.12 18:00 | ||||
オリックス・バファローズ | 3 | 終了 | 3 | 千葉ロッテマリーンズ |
京セラD大阪 |
根拠はないけどイケると思っていた
『2021 パーソル クライマックスシリーズ パ』のファイナルステージ第3戦が12日に行われ、最終回に小田裕也のサヨナラ同点打で引き分けに持ち込んだオリックスが、3勝1分け(アドバンテージの1勝を含む)で日本シリーズへの進出を決めた。
試合後に行われた囲み取材に応じた山本由伸は「ベンチには入ってなかったので、裏で見ていた。リードをされていたけど、引き分け以上で(CS進出)というのがあって、根拠は全くないですけど、イケるんじゃないかなというのはずっと思っていた」と、チームの力と勢いを感じていたようだ。
このシリーズは1試合も負けず終わったが、「みんな一人ひとりがイケるぞと、心の中で思っていたと思う。そういう思いが自信に繋がり、いいプレーになったんじゃないかと思います。初戦も初回からTさんがタイムリーを打ったし、Tさんだったり、そういった選手が打つとすごく勢いも出るので、締まったゲームになる」と振り返り、ベンチを含めた一人ひとりの思いの強さが勢いに繋がったと分析。
共同会見で「環境に恵まれている」と話していたことに関しては、「監督、コーチはもちろん、ベテランの先輩方も気を遣ってくれる。本当なら後輩の僕たちが気を遣うべきだけど、そこで気を遣わなくてもいいような環境というか、雰囲気というか、自然とそういった空気を作ってくれている。それは今年だけではなく、入団した年から感じていた。優しさだけじゃなく、引っ張ってくれるような、頼りになるような、そういうものもある」と述べ、先輩たちの存在の大きさを強調した。
日本シリーズでは、5月の交流戦で現在も続く連勝の始まりとなったヤクルトと対戦する。「これからバッターのことだったり見ないといけない。相手も(5月の頃とは)違うと思うし、自分も全然違う。いろいろ変わっていると思うし、あの時のイメージも覚えていない」と述べ、新たに対策を練り、強力ヤクルト打線に挑む所存だ。
日本シリーズまで少し時間はあるが、「シーズンをずっとやってきて今になるので、疲れの部分もあるし、そういったところのケアだったり、とにかくより万全な状態で試合に入れるようにしたい」と、登板間隔を有効に使っていく方針に変わりはない。
先発ローテーションに入って3年目で開幕投手を経験し、交流戦優勝、リーグ優勝、クライマックスシリーズ優勝、そして夏にはオリンピックにも初出場して金メダルも獲得するなど、充実した1年を送っているが、「今年は野球人生初の経験をしてるので、とにかく楽しむことを忘れず、思い切ってやりたい」と、気負いはない。日本シリーズの舞台でも、エースとして、チームを勝利に導くようなピッチングを披露してくれるはずだ。
取材・文=どら増田