今季10勝0敗、防御率0.72の黄金バッテリー

　年間最優秀バッテリーを表彰する『2021プロ野球最優秀バッテリー賞 powered by DAZN』が17日に発表され、セ・リーグは中日の柳裕也と木下拓哉のバッテリーが、パ・リーグはオリックスの山本由伸と若月健矢のバッテリーが受賞した。

　オリックスの山本は今季26試合の登板で18勝5敗、防御率1.39、206奪三振をマークし、最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率の投手4冠を達成。今季は伏見寅威、頓宮裕真、若月健矢の3捕手とバッテリーを組んだが、若月と組んだ11試合で10勝0敗、防御率0.72の圧巻のパフォーマンスを披露した。

　受賞が決まり、山本は「初めてというのもあって、バッテリーって、チームの中でも、また一つのチームなので、そこで獲れた賞はうれしいです。本当にもう助けてもらってばかりというか、自分の力を最大限に引き出してもらえたので、僕の成績もすごく良い結果になりました」と喜びのコメント。

　マスクを被る若月については、「いつも落ち着いているので、どんなにピンチになっても冷静な配球で、うまく抑えこませてくれるので、そういったところがいいです。マウンドに来て話す時は、真剣な時もあれば、気楽にさせてくれることもありました」と揺るがぬ信頼を口にした。

　一方、投手タイトルを総なめにした球界のエースをリードした若月は「凄い投手をリードするという意味で責任を感じる部分はあったので、受賞することができて、ホッとしています」と、バッテリーとしての働きを認められた受賞に安堵の様子。

　7月9日のソフトバンク戦から山本のボールを受け続け、「基本的にはサインに首を振ることはないですが、サインと違うボールを投げたそうな顔をしている時はありますね」とマスク越しに見える山本の素顔を明かし、「ロッテとのCSファイナルステージ初戦の時は、初回先頭の荻野さんの場面で、僕がフォークを要求したら首を振って、真っすぐでいって右前打を打たれたら、そこから1回も首を振らなかったですね。ちょっとは信頼してくれたのかなと思います」と印象的なエピソードも振り返った。

　オリックスのバッテリーが同賞を受賞したのは、2014年の金子千尋－伊藤光のコンビ以来7年ぶりで、1995年の平井正史－中嶋聡とあわせて通算3度目。若月は球団史上1号の受賞者であり、昨季途中からチームの指揮を執る中嶋監督から直々にリード面でアドバイスを受けていたことも明かした。

　「監督から一番最初に言われたのが『高めを使え』でした。低めに集まると目線もそこに集まると。そこで窮屈にしてしまっていたので、印象に残っています。まずは低めが原点ですが、高めのボールを意図してリードに入れることで、考え方も変わりました」

　25年ぶりのリーグ優勝を成し遂げたオリックス躍進の原動力となった大エース山本と若月の黄金バッテリー。球界トップクラスの輝きを放った名コンビ無双の裏には指揮官からの金言があった。


▼ パ・リーグの月間バッテリー賞
OP戦　 ＝山岡泰輔－頓宮裕真（オリックス）
3･4月度＝涌井秀章－太田光（楽天）
5月度　＝松本航－森友哉（西武）
6月度　＝山本由伸－伏見寅威（オリックス）
6･7月度＝N.マルティネス－甲斐拓哉（ソフトバンク）
8月度　＝山本由伸－若月健矢（オリックス）
9月度　＝山本由伸－若月健矢（オリックス）
10月度 ＝山本由伸－若月健矢（オリックス）