2021.11.23 18:00 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 5 | 終了 | 4 | オリックス・バファローズ |
東京ドーム |
石山「シーズン中、助けられてばっかりだった」
日本シリーズ第3戦はヤクルトが競り合いのゲームを制し、2勝1敗と一歩リードした。
逆転の呼び水となったのは、今季序盤から苦しみ抜いた元守護神の投球だった。7回、オリックスの3番・吉田正尚に勝ち越し打を許し、4番の杉本裕太郎は申告敬遠。なおも二死満塁のピンチでマウンドに上がったのは石山泰稚だった。
「今日の場面は満塁だったので、あのバッターをどう三振に取るか、どう打ち取るかということだけを考えていきました」と石山。代打のジョーンズを空振り三振に仕留めると、その裏にチームはサンタナの逆転2ランが飛び出して逆転に成功した。
「みんなでつないでやっているというのが、すごい出た試合だったと思う。みんなに力を借りた。今まで助けられてきた分、何とか助けられて良かったかなと思います」。
今季も開幕から抑えを務めてきたが、本来の調子を発揮できずに5月下旬から抑えの座をマクガフに譲った。ファーム落ちも経験し、苦しいシーズンを過ごしてきた。石山の代わりに抑えを務めてきたマクガフや中継ぎ陣、先発陣に対して「シーズン中、助けられてばっかりだった」と話し、チームメイトに感謝した。
高津臣吾監督は「打ち取り方がすごく良かったので、8回も行かせようと。追いついても逆転しても、そのままでももう1イニング行かせよう」と決めた。8回もマウンドに上がった石山は3者凡退に抑え、指揮官の思いに応えた。
チームがひとつになり、最後まで諦めない野球で勝利をつかんだヤクルト。逆転2ランのサンタナも「ベンチが一体となってすぐに逆転するぞという雰囲気だった」と、チームの一体感を強調。第4戦も勝利し、日本一に王手をかける。
文=別府勉(べっぷ・つとむ)