沢村賞の力を存分に示す熱投
オリックスの山本由伸が負けられない崖っぷちの一戦で沢村賞右腕の本領を発揮した。
山本は走者を背負いながらも4回まで無失点。しかし両軍無得点のまま迎えた5回、安打と犠打で一死二塁のピンチを招き、二死後、1番・塩見に先制となる左前適時打を許した。
それでも同点に追いついてもらった直後の6回は、三塁・宗、遊撃・紅林の連続エラーで無死一、二塁のピンチを招くも、5番・サンタナのバットをへし折り二ゴロ併殺斬り。続く中村は遊ゴロに退けバックのミスを救った。7回も二死一、二塁と得点圏に走者を背負ったが2番・青木を二ゴロ斬り。8回は3番・山田から始まるクリーンアップを3者連続三振に仕留めた。
同点のまま迎えた9回も3人で抑え、9回141球、6安打1失点、11奪三振2四死球の力投で交代となった。
27日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた江本孟紀さんは「セ・パで今、ナンバーワンのピッチャー。普段あまり(山本を)見る機会が少なかったかもしれませんが、このピッチャーのすごさを野球ファンは今日見たんじゃないかと思います」と力投をねぎらった。
「今の時代でいうとピッチャーの鑑。(今日の試合も)投げろと言えばずっといっていたかもしれない。それくらい力がありますよ」と沢村賞の力を存分に示した右腕を絶賛した。
同じく解説を務めた齊藤明雄さんも「投手分業制の時代だが、山本だけは一人で投げ切れる練習をキャンプからしてきたと思う。今日も8回に130球超えて交代かと思ったら9回にマウンドに上がりましたから。最後まで投げさせてあげたかった感じはありますね」とエースの大熱投を称えた。
山本は、CSファイナル初戦でロッテ相手に9回126球、4安打無失点、10奪三振、日本シリーズ初戦は6回112球、5安打1失点、9奪三振。日本シリーズ第6戦を含むポストシーズン3試合で、計24回379球を投げ、30奪三振、2失点とエースにふさわしい大車輪の活躍をみせた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』