首脳陣と選手が一丸!悲願のリーグ制覇
21日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース2021』では「年末大反省会SP」と題して、解説陣が今季のプロ野球を語る企画を実施。25年ぶりにパ・リーグを制したオリックスの戦いぶりを各々の視点から振り返った。
オリックスは昨季途中から監督代行として指揮を執っていた中嶋聡監督のもと、2年連続最下位から大躍進。山本由伸と吉田正尚の投打の大黒柱を中心に、新人王の宮城大弥、本塁打王の杉本裕太郎ら、攻守の新たな柱が台頭。シーズン途中から1・2番に固定された福田周平と宗佑磨の活躍も光り、終盤の大混戦も勝ちきった。
今季は内野から中堅手にコンバートした福田がリードオフマンとして機能したほか、高卒2年目の紅林弘太郎を正遊撃手に抜擢。なかなか一軍に定着できていなかった杉本を4番に据えてシーズンを完走するなど、育成と勝利を同時遂行する理想的な勝ちっぷりだった。
適材適所の選手起用から繰り出される名采配を、ファンは“ナカジマジック”と呼んでいたが、高木豊さんは「人を動かすというよりも人を使うということに長けていたかなと思う。交流戦で福田をセンターにもっていったり、宗をサードに起用したり、杉本を固定したり、ブレなかったというのが一番かな」と、中嶋監督の采配を評価した。
選手の抜擢に関しては、中嶋監督が昨季途中まで二軍監督を務めていたことがプラスに働いたとの見方のほか、結果が出なくとも「よく我慢した」との声が多数。
笘篠賢治さんは「いままでのオリックスはちょっと悪かったらすぐに代えられる、二軍に落とされる、コーチ陣でさえ一二軍の入れ替えが起こってしまったり、落ち着いて野球ができないようなシーズンが多かった」と振り返り、「そこで中嶋監督がどんっと、コーチにしても選手にしてもブレなかった」とコメント。
続けて、「若い選手の見極めは、中嶋監督だけじゃなくて、水本ヘッドもカープの二軍監督をして、カープから見たオリックスの若い選手たちを見てきたと思う。我慢して選手を使い続ける、選手を育てる、そういうところの意見がマッチして使い続けられる要因になったのでは」と、今季就任した元広島の水本勝己ヘッドコーチの存在も大きかったとの見方を示した。
また、近鉄OBの金村義明さんは「我慢強くやったと思います。チームカラーをゴロッと変えた。カープの鬼軍曹の水本コーチを招聘して、ベンチは毎イニング声が出ている。今までのオリックスとは雰囲気がゴロッと変わった。辻(竜太郎)打撃コーチにしろ、元気者がどんどん引っ張っていくから、ポテンシャルある選手たちが乗っていった。前半はそうでもなかったですけど、中盤以降、気がつけば勝ってるなという連勝をしながら終盤を迎えた。チーム全体の勝利だと思う」と、一気に頂点まで駆け上がった下剋上Vを振り返った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』