チーム最多11人が在籍する97年世代
平沢大河、成田翔、茶谷健太、本前郁也、佐藤都志也、 植田将太、福田光輝、高部瑛斗、河村説人、廣畑敦也、八木彬。
ロッテの年齢構成を見ると、育成選手を含めて現時点で“97年世代”の11人がチーム最多となっている。ちなみに3年連続で“97年世代”がチームで最も多い。
現メンバーの入団をおさらいすると15年のドラフトで平沢と成田が入団。19年にソフトバンクを自由契約となった茶谷が育成選手として加入し、同年秋のドラフトで大卒組の佐藤、高部、福田、育成で本前、植田と5人がプロ入り。20年のドラフトで河村、そして昨年のドラフトで大卒・社会人組の廣畑と八木が入団した。
今年25歳にあたる世代。この間プロ入りしたばかりと思われた平沢と成田も、気がつけば今年でプロ7年目、大卒組も今年がプロ3年目だ。1つ上の96年世代の小島和哉が昨季チーム最多の10勝を挙げ、1つ下の98年世代では和田康士朗が盗塁王を獲得。“97年世代”も、チームの中心となるような選手が出てきて欲しいところ。
先発定着に期待
ルーキーイヤーの昨季4勝を挙げた河村は、先発ローテーションに定着したいところ。昨季はリリーフで開幕一軍を掴み、15試合に登板するも防御率6.00で5月22日に一軍登録抹消。先発に配置転換となり7月7日のソフトバンク戦でプロ初先発・プロ初勝利を挙げると、後半戦は4試合・21回2/3を投げ、3勝1敗、防御率2.08。
先発した後半戦の4試合は加藤匠馬がマスクを被り、好結果に繋げた。河村は「カーブの使い方がすごくうまいなと自分も思っています。配球の面ですごく助かっていました」と話し、「また、あまり走られる機会も多くないので、そこも嬉しいなと思います」と感謝した。
今季に向けては「開幕ローテーションに入って、そこから1年間回れるように投げたいと思います」と意気込む。昨季後半に見せた投球を披露することができれば、先発ローテ定着、2桁勝利も見えてくる。
同じく先発ローテ入りを目指す本前、手薄な左のリリーフに割って入りたい成田、新人の廣畑は先発、リリーフの両方をこなせる強みがあり、八木も150キロを超えるストレートと落差の大きいフォークを武器に一軍の座を狙う。
佐藤は正捕手獲りを目指す
プロ3年目の佐藤も“正捕手”獲りに期待がかかる。昨季は開幕二軍スタートもファームでスタメン出場し、14連勝したときも12試合で先発マスクを被り、捕手として力をつけて4月23日に初昇格。
「(昇格)直後は自信を持ってやっていたんですけど、ひとつのミスで自分のなかで精神的に弱気になった部分があった。上がってきたときの精神状態と、ミスしてしまったときの精神状態では、天と地くらいの差がありました。本当に自分がまだまだ未熟なところだなと思いました」。
交流戦でチーム最多の13試合でスタメンマスクを被ったが、6月23日に再びファームに降格。オールスター明けに再び一軍に昇格すると、打撃面では8月19日の西武戦では1-3の8回に同点の2点適時打を放てば、8月21日のソフトバンク戦は6-5の9回二死一塁の場面で代打で登場し、ライトスタンドに2ランを放つなど、勝負所で価値のある一打を放った。9月は月間打率.300をマークし、10月は月間2本塁打、楽天とのCSファーストステージではサヨナラ打を放った。
他の捕手陣に比べて、打撃での期待値は高い。2月の練習試合から守備面でもアピールしていけば、一気にレギュラーも見えてくる。
同じく捕手の植田も強肩を武器に、一軍入りを虎視眈眈と狙っていく。昨季一軍出場がなかった平沢、茶谷、福田光の内野手組は、2月の実戦で存在感を示し、どこまで一軍に食らいつけるかが、開幕一軍、その先の一軍定着への第一歩となる。2年連続二軍で打率3割以上をマークした高部も、激しい外野手の競争に勝つために打ち続けて、見えてくるものがあるだろう。
“97年世代”だけに限らないが、特にこの世代の選手の多くが2月のファーストインパクトが非常に重要になってくる。秋を迎えたときに、何人の選手が一軍で欠かせない存在になっているだろうかーー。
▼ 97年世代
<投手>
八木 彬 97年5月26日生
河村説人 97年6月18日生
本前郁也 97年10月2日生
廣畑敦也 97年12月3日生
成田 翔 98年2月3日生
<捕手>
植田 将太 97年12月18日生
佐藤都志也 98年1月27日生
<内野手>
福田光輝 97年11月16日生
平沢大河 97年12月24日生
茶谷健太 98年1月16日生
<外野手>
高部瑛斗 97年12月11日生
文=岩下雄太