目標は同じ左腕の小島
「小島選手が大事な試合で投げていたり、信頼されていることだったり、軽く投げているのに球が強いというのを見て、目標にしています」。
昨年12月10日に行われた新入団選手発表会で、小島和哉を目標に挙げたロッテのドラフト4位・秋山正雲(二松学舎大付高)は、昨季まで小島が背負っていた背番号『43』を着ける。
「すごく嬉しい部分でもありますし、これから去年10勝を挙げた小島さんの背番号を背負わせてもらうので、自分も二桁勝てるような投手にならないといけないなと思います」。
秋山の新人合同自主トレ中のキャッチボールを見ると、手元でピュッと伸びるような球を投げていた。「石垣島にきてから真横で、小島さんのキャッチボールを見たときに、まだまだなと思いました」と、小島の凄さを間近で感じたという。
具体的に“まだまだ”と思った部分について「小島さんの場合はすごく軽く投げているように見えるんですけど、球が落ちないでそのまま相手に届いたり、捕ったときの音の違いも感じました」と、自身との球の違いを感じたそうだ。
チェンジアップに自信
先輩投手たちの凄さを肌で感じている秋山だが、プロの世界で決め球にしたい、現時点で自信を持っている球種がある。それは、チェンジアップだ。チェンジアップといえば、目標にする小島も武器にする球種のひとつ。
「自分でどういう球を投げているかはわからないですけど、一度(大学で野球をやっている)兄とキャッチボールしたときに、途中で止まるイメージ、良いチェンジアップを投げていると言ってもらいました。真っ直ぐの腕の振りで一度止まるイメージというのが、良いのかなと思います」と、チェンジアップに自信を見せる。
ストレートも高校時代の映像を見ると、左打者の外角のストレートが抜群によく、内外ともにコースにきっちり投げきっていた。そのなかでも、本人がもっとも得意にしているのは右バッターのインコースに投げるストレート。高校時代から強みにしてきたコースだ。
将来的には「チーム、ファンの方々に大事な場面でこいつが投げても大丈夫と思われるような信頼される投手になりたいと思います」と話す。
“信頼される投手”になるために必要なことについて秋山は「練習の姿勢、一つ一つの行動を早くしたり、挨拶もそうですし、人間的な部分でも“こいつは頑張っているな”とか、“こいつは手を抜いていないな”と思ってもらえるような行動をしていくことが必要かなと思います」と話した。
地元・千葉県出身の期待の左腕。ZOZOマリンスタジアムで「気迫溢れるピッチングをしたい」と、目標に挙げる小島とともに一軍で躍動する日が来ることを楽しみに待ちたい。
▼ 秋山正雲
背番号:43
生年月日:2003年4月29日生
守備位置:投手
身長 / 体重:174センチ / 77キロ
投 / 打:左 / 左
経歴:二松学舎大付属高-ロッテ(ドラフト4位)
取材・文=岩下雄太