「焦り過ぎて再発というのは嫌。そこだけは確認しながら」
オリックスの山岡泰輔投手(26)が12日、今キャンプはじめてのブルペン入り。
「順調に来ている」というプロ6年目の右腕は、不完全燃焼に終わった昨季の悔しさをバネに完全復活を誓う。
「去年肘を手術して、状態を確認しながらになるんですけど、ゆっくり、上げ過ぎずにやっていると思います」と山岡。気になる患部の問題は「全くない」と頼もしく語った。
現在は「1球1球の精度だったりとか、コントロールというところをもう一段階上げられたら良いと思って練習している」とのこと。この日は約60球を投げ込んだ。
このキャンプでは個別練習でブルペンに入っていたものの、他の投手と横並びで投げるのは今年初。「良くも悪くもなく、という感じ。コントロールもそこそこだったし、球の強さも何回か確認しながら、何球かは強い感覚がしたので、良い感じに上がってきていると思う」と手ごたえを口にしている。
その一方で、「キャッチボールしている感じも良いと思う。すごく順調に来ているので、本当に焦り過ぎてケガが再発というのは嫌。そこだけは確認しながらやっています」と、順調がゆえの飛ばしすぎには注意を払う。
つづけて、「まだどこで投げるか分からないので、今の状態は普通に投げられるというか、普通にバッターと対戦するような状態に持って行けたらいい」と今後を見据えた。
「シーズンをフルで戦えるように」
2年前には2年連続で開幕投手を務めた山岡だが、今季は起用法がまだハッキリと定まっていない。
これについて本人は「特にこだわりはない」とコメント。「任せてもらえるポジションで投げていきたい。どっちでも良いです。キャンプではあまり困らない」としたが、「苦になるとしたら、経験したことがないという心の部分かな…」とも。後ろを任された時の“精神面”については、「苦」になる可能性も示唆している。
先日は侍ジャパンの栗山英樹監督も視察に訪れていたが、プレミア12で日の丸を背負った山岡の侍ジャパンへの想いは強い。
「もちろん、出たい思いは強い。すごく良い経験になると思う。いろいろな選手たちと会話できる環境。そこに選ばれるように頑張っていけたらいい」と、代表入りに関して意欲的な姿勢を見せる。
最後は「個人的には2年間チームに迷惑をかけているので。シーズンをフルで戦えるように投げていきたい」と決意表明。
さらに「チームとしては連覇を目指して、日本一を獲れるように。全員でやって行きたい」と目標を掲げた。
昨年は山本由伸がエースとしてチームをリーグ制覇に導いているが、ここでダブルエースの一角だった山岡が復活すれば、オリックスの投手陣はより盤石なものになる。
チームの太陽のような明るさも持つ右腕だけに、“完全復活”にかかる期待は大きい。
取材・文=どら増田