ニュース 2022.03.12. 17:00

右肘手術、リハビリ、優勝争い、復帰…ロッテ・西野「一軍で投げきりたい」

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ロッテ・西野勇士[提供=千葉ロッテマリーンズ]
 「マリーンズピッチャーの交代をお知らせいたします。小野に代わりまして、西野。マリーンズのピッチャー西野勇士、背番号29」。

 場内アナウンス担当の谷保恵美さんから名前がコールされ、ロッテの西野勇士が2020年6月10日の中日戦以来、約1年半ぶりにZOZOマリンスタジアムのマウンドに上がった。

 4-3の8回から登板した西野は、先頭の山田遥楓にセンター前に運ばれると、一死後、愛斗にセンター前に安打を許す。得点圏に走者を背負ったが、森友哉を落差の大きいフォークで空振り三振に仕留めると、続く金子侑司はレフト・岡大海がフェンスに激突しながら、ジャンピングキャッチ。

 西野は久しぶりのZOZOマリンでの登板は1回・17球を投げ、2被安打、1奪三振、無失点という投球内容だった。

長いリハビリ


 「僕がリハビリでいない間にチームが毎年優勝を争って、それを見てここのなかにいられない悔しさもありました。(優勝争いの輪に)入りたいと思って(リハビリを)やっていました。1日でも早く復帰に向けて頑張ってリハビリをしようという気持ちがありました」。

 西野は19年に先発、リリーフでフル回転の活躍で復活し、20年も先発ローテーション入りへ向けて好投を続けていたなかで、開幕直後の20年6月29日に『右肘側副じん帯の手術』を受けた。

 14年から3年連続20セーブを挙げたが、17年と18年はファームで過ごす時間が長くなったものの、19年に復活。19年の夏前には「みんな好不調の波があるように、その中で『これだ』っていうのをみんな掴むから1年間一軍に居続けられる。僕の中でもある程度、『こういうのかな』というのが1個あって、それは先発転向する直前から(良い)感覚が続いているのかな」と“新しい感覚”をつかみ始めていたなかで右肘の手術となった。

 「試合中にやっちゃったなというのは感じたのはあったんですけど、2016、17年も靭帯の損傷があった。今回やっちゃったからさすがに…諦めというか、(手術を)やるしかないなと気持ちが強かったですね」。

 西野はファームで過ごすことの多かった17年と18年は「悔しい思いもありましたよ。僕も先輩なので見せないといけない」と黙々とトレーニングをする姿があったが、トミー・ジョン手術後のリハビリでは後輩たちに「どういう姿を見せたいというわけではなく、リハビリでちゃんと毎日よくなっても、よくならなくても同じことをやり続けることを大事にしていました」と背中で見せた。


カーブ多投の意図


 長いリハビリを経て21年9月28日の巨人三軍との練習試合で実戦復帰。同年に行われたフェニックス・リーグでも5試合に登板した。フェニックス・リーグではストレート、110キロ台のカーブ、100キロ台のカーブを投げ、武器であるフォーク、スライダーという球種を投げていなかったように見える。

 「フェニックスは、リハビリのつもりで投げていました。とりあえずまっすぐを投げようというところと、カーブはすごい感覚が良かった」。

 110キロ台のカーブと100キロ台のカーブはトミー・ジョン手術前の20年6月の練習試合でも多投していた。気になったので、訊いてみると「痛くなってから逆にカーブって“こういう風に投げるんだ”という気づきがあって、そこからカーブの調子がよくなったというか、感覚がよくなった」と教えてくれた。

 今年行われた3月6日のソフトバンク戦ではストレート、カーブだけでなく、スライダーとフォークを織り交ぜていた。「スライダーに関してはずっと前からいつでも投げられると思っていたし、感覚的にも確立しているところがある」。球種も手術前と同じようにスライダー、フォーク、カーブで組み立てていく考えを持っている。


新しい感覚


 “完全復活”が期待される今シーズン。西野は2019年に掴んだ“感覚”を取り戻そうとしているのか、手術したあとの“新しい感覚”を掴もうとしているのかーー。

 「新しい感覚ですかね。またリハビリをやっているなかで、いろいろと自分がやりたいこと、こうしていきたい投げ方とかある程度見つけてきた。今は新しい感覚で投げているかなと思います」。

 具体的に自分のやりたいことについて「自分のあまりよくないなと思っていたところをリハビリの期間中に直せる機会だと思ったので、いろんなフォーム的なタイミング、リリースの仕方、それまでのもっていき方などいろいろあるんですけど、特に下半身の使い方を自分のなかでよくないと思ったのでしっかり直そうと思ってやっていましたね」。

 21年に実戦復帰し、今年はここまでオープン戦で3試合に登板している。投げられる喜び、楽しさよりも今は「普通に投げて、みんなと争っているという感覚です」とのことだ。

 厳しい一軍の枠を巡る競争に戻ってきた西野。「リハビリで2年間投げられていない。充実した1年に、というのはもちろん良いと思いますし、復帰したからには一軍で投げきりたい」。強い決意、覚悟を持って西野勇士はもう一度一軍での活躍を目指す。

取材・文=岩下雄太

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