打撃好調の要因は?
ロッテの髙部瑛斗が、2月の対外試合から打撃好調を維持し、開幕一軍、開幕スタメン入りに向けて、猛アピールを続けている。
2月の対外試合で打率.387(31-12)と打ちまくった髙部は、オープン戦に入ってからも、その勢いが止まらない。8日の日本ハム戦で4安打、翌9日の試合でも3安打、『1番・中堅』で出場した12日の西武戦でも第1打席にレフト前に安打を放つなど、オープン戦の打率は.406(32-13)を記録する。
好調の要因について「まずオフシーズンの取り組み。この2年間のいろんな経験をプラス材料としてうまく活かせているんじゃないかなと思います」と明かす。
具体的に「フィジカル面で体の強さをあげるために体重を増やして、ウエイトトレーニング、食事を変えたこと、技術面でもいままでの自分の形を自分の体を理解して変えていこうと思ったこと、メンタル面でも自分の短所、長所を理解したうえでどういう考え方でよくなるかというのをやれているのがよくなってきている要因だと思います」と説明した。
このような考え方に繋がったのは、プロ入りしてからの2年間の経験が大きいという。
「この2年間を自分で思い返したときにうまくいかなかったことしか頭に浮かんでこなかった。なあなあになってしまった部分もある。ファームで打てているのに一軍で打てない原因というのも、ちゃんと考えないといけないなというのがきっかけです。この2年間は強いと思います」。
それを踏まえて、2年間ファームで打率3割以上記録しながら、一軍で打てなかった原因について「技術、フィジカル面、メンタル面、この3つの要素が全部揃っていなかったんじゃないかなと思っています」と改めて自己分析した。
一軍定着を狙う若手選手は、結果を残し続けなければならない。この2年間、“結果”を残さなければという気持ちも強かったのだろうかーー。
「もちろん結果を残さないと生き残れないなという気持ちもありましたし、ファームと上を行き来しているなかで、“これができなかったらダメだな”というマイナス思考的なところも出ていた。よくない自分の姿で野球をやっていたなと思います」。
今年に入ってからは、マイナス思考なく試合に臨めているのだろうかーー。
「すぐになくなることはないですけど、そのなかでも自分のできること、引きずらないこと、毎日新しく切り替えてやること、よくも悪くも毎日フレッシュな気持ちで過ごそうとできている。そういう面では充実した心のなかでやれているんじゃないかなと思います」。
外野の争いもまずは自分
開幕まで2週間を切った。外野手のレギュラー争いは、昨季の実績を踏まえれば、荻野貴司、マーティンのレギュラーが確実。残り1つのイスを複数の選手で争うという構図になる。
髙部は「周りの人と競争をしないといけないですけど、周りがどうとかではなくて、まずは自分ができることをしっかりアピールしたい」とキッパリ。
続けて「周りの人と比べてしまうと自分の場合、気持ちが高ぶりすぎてしまうなと感じるので、そこは自分のことをと思いながらやっています」と、自身が与えられた出場機会で最高のパフォーマンスを発揮することだけを考えている。
「まずは1年間一軍のレギュラーとして出たい。そのなかで結果を残していかないと試合に出られないので、試合に出られる立場を確立していきたいと思います」。
一つ一つの積み重ねが開幕一軍、開幕スタメン、レギュラー定着に繋がっていく。
▼ 髙部瑛斗の対外試合打撃成績
18試 率.397(63-25)本0 点7 盗11
取材・文=岩下雄太