1、2番がチャンスメイク
ロッテは15日の広島とのオープン戦、2-2の5回に一挙6得点を挙げたが、“1、2番”で好機を作り、クリーンアップが還すという理想的な攻撃だった。
2-2の5回一死走者なしで1番・髙部瑛斗が、先発・九里亜蓮が3ボール2ストライクから投じた7球目のストレートを三塁強襲の内野安打で出塁。続く2番・藤原恭大は1ボール1ストライクからの3球目の変化球をライト前にはじき返し、スタートを切っていた一塁走者の髙部は三塁を陥れた。
3番・中村奨吾の死球で満塁とすると、4番・マーティンのライト前への安打で、三塁走者の髙部に続き二塁走者の藤原も一気にホームイン。“1つ先の塁を狙う”見事な走塁だった。
得点には繋がらなかったが、8-5の6回は先頭の9番・平沢大河が四球で出塁すると、1番・髙部が三塁線にセーフティバントで内野安打。三塁手が一塁へ投げられず、絶妙なセーフティだった。ちなみに髙部は、バントは得意ではないが、「セーフティバントは得意」とのこと。一、二塁とすると、2番・藤原が2ボール1ストライクからきっちりとピッチャー前に送りバントを決めた。
スピード感あふれる1、2番
髙部と藤原の“1、2番”は、オープン戦に入ってからこれが3度目。11日の西武戦は2人とも無安打だったが、13日の西武戦は髙部が2安打1四球1得点、藤原は1安打1得点、15日の広島戦は髙部が2安打1得点、藤原が1安打2四球1盗塁1犠打2得点だった。スピード感があり、15日の試合のように機能すれば理想的な“1、2番”だ。
ただ昨季の実績を踏まえればレフト・荻野貴司、ライト・マーティンのレギュラーが確実視されており、残り1つのポジションを巡って複数の選手で争っているのが現状で、髙部と藤原は外野のレギュラーを争うライバル関係。12日の西武戦から3試合連続でセンターのポジションでスタメン出場し、オープン戦の打率.436をマークする髙部が外野のレギュラー争いで一歩リードしているように見える。
高卒4年目の今季レギュラー定着を狙う藤原も、オープン戦の打率こそ.212だが、現在2試合連続で安打中。15日の広島戦は第1打席こそ見逃し三振に倒れたが、第2、5打席は四球で出塁し、第3打席に得点に繋がる安打、第4打席は犠打を決めるなど、内容のある打席が多かった。
春季教育リーグに出場する荻野が一軍に上がってくれば、1番に荻野が座ることが予想される。髙部、藤原の1、2番はスピード感があり、15日の広島戦の5回のように1本の安打で一、三塁、藤原の長打で一塁走者の髙部が一気にホームインできる走力があることを考えると、かなりワクワクする。もちろん荻野が1番で出場して、髙部、藤原のどちらかが2番で出場すれば足を使った攻撃ができる。個人的には、“打てれば”という条件つきだが、公式戦でも髙部、藤原の“1、2番”を見てみたいと思わせるほど魅力がある。
開幕まで2週間を切り、オープン戦も残すところあと5試合。外野のレギュラー争いとともに、開幕するときにどういう1、2番が組まれるかも注目だ。
文=岩下雄太