「一塁を守る方にも伝えて、アイコンタクトをとっています」
20日にベルーナドームで行われた西武-ヤクルトのオープン戦で、なかなかお目にかかれないビッグプレーが飛び出した。
1-1で迎えた7回表、一死二塁の場面で打席にはヤクルトのホセ・オスナ。西武の3番手・宮川哲が投じた4球目の149キロ速球を弾き返すと、火の出るような当たりがライトへ。この強い当たりでは二塁走者は三塁を回ることはできないか、と誰もが三塁ベースに意識を向けた瞬間、打球を処理した愛斗は素早い動作で一塁へ矢のような送球。これがアウトとなり、「右ゴロ」が成立した。
中継の映像を確認して見ても、やはりカメラは愛斗が捕球した瞬間に三塁ベース上に切り替わり、ヤクルトのサードコーチャーが制止をかけて二塁走者の長岡秀樹は三塁を回ったところで急停止する様子が確認できる。と同時に、そこでカメラは突然引きの画に切り替わり、遠目ながら一塁塁審がアウトのジェスチャーをしているところがなんとかカメラの右端に収まった。あまりに突然の出来事に、実況も思わず「ファーストゴロ」と伝えてしまっている。
このイニングは1-0と西武リードではじまり、そこから1点を返されてなおもピンチという場面。一死二塁のピンチがこの右ゴロで二死三塁となり、続く打者で斬ってこの回は同点で食い止めた。結果的には9回に1点を奪われて1-2で逆転負けを喫したものの、チームを窮地から救うビッグプレーであったことに変わりはない。
オスナの打球が強かったということも大きかったが、前進しながら打球を処理して捕ってすぐに一塁へ送球。解説者も指摘したように、普段から狙って「準備」をしていなければできないプレーだった。愛斗は試合後に振り返り、「今日は“体が反応した”という感じです」としつつ、「呉さんが一塁ベースに入るのが見えたので、投げようと判断しました。常に走塁コーチの手を回させないチャージを心掛けていますし、隙をつきたいと思っています。それは一塁を守る方にも伝えていて、アイコンタクトをとっています。信頼関係ですね」とコメント。“準備”だけでなく、そこに“信頼関係”も加わってのビッグプレーだった。
コメント
▼ 愛斗
今日プレーは「体が反応した」という感じです。
あの打球で、僕がこういうチャージをしたら、ランナーは三塁で止まると思いました。
と同時に、呉さんが一塁ベースに入るのが見えたので、投げようと判断しました。
常に、走塁コーチの手を回させないチャージを心掛けていますし、隙をつきたいと思っています。
それは一塁を守る方にも伝えていて、アイコンタクトをとっています。信頼関係ですね。
ベンチに戻ってからも、呉さんに「ありがとうございます」と伝えたら、「あそこは入って良かったよね」という会話ができたのも良かったです。