頂点を、つかむ
2022年3月25日。1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝、2010年以来となる日本一を目指すロッテの2022年シーズンの戦いがはじまる。
昨季は51年ぶりに優勝マジックが点灯し、優勝マジックを「3」まで減らしたが、141試合目となった10月27日の楽天戦に1-2で敗れリーグ優勝とはならなかった。20年は優勝したソフトバンクに14ゲーム差をつけられての2位だったが、昨季はオリックスと最後の最後までリーグ優勝争いを演じた。チーム力は着実につけており、今季はリーグ制覇への機運が高まる。
ロッテは「頂点を、つかむ。」をチームスローガンに掲げ今季の戦いに挑む。井口資仁監督は、チームスローガンが発表された際、球団を通じて「今年、絶対に優勝をするという想いを明確な言葉として表しました。必ず優勝をするというみんなの強い想いがチームスローガンに込められています。選手は、このスローガンと日々の練習、試合の中で向き合い、この一年間、戦い切って欲しいと思っています。そして最後に頂点に立って、今まで見たことがない新しい景色を応援してくださるファンの皆様と一緒に味わいたいと思います」と決意を述べた。
20年に右肘のトミー・ジョン手術で2年間一、二軍登板がなく復活を目指すシーズンとなる西野勇士は、「僕がいない間に2位、2位となって、かなり優勝に近いところに争っている状態ではある。僕が入ったことで、もっと1位に近づけるような貢献ができたらいいなと思います」と意気込む。
新人から2年連続ファームで打率3割以上をマークするも一軍でなかなか結果を残せずにいた髙部瑛斗は、2月の対外試合から打撃好調を維持し開幕一軍を掴んだ。髙部は「チーム全体としての目標は、リーグ制覇、日本一とあると思いますけど、個々のなかでもそういうのを求めながら、やっていくことが大事なんじゃないかなと僕も感じている。日々切磋琢磨しながら、試合に勝ち続けられるように競って競って頂点をつかむことなんじゃないかなと思います」とスローガンへの想いについて語った。
スタートダッシュを!
20年はソフトバンクとの開幕カードを2勝1敗と勝ち越し、開幕2カード目のオリックス戦で6連戦6連勝しスタートダッシュを決めたが、昨季は2位に入ったとはいえ、開幕から躓き5連敗スタートだった。
今季の開幕カードは楽天。一昨年は浅村栄斗、鈴木大地に打ち込まれ、岸孝之に抑え込まれるなど苦手にしていたが、昨季は15勝9敗1分、敵地・楽天生命パークでは7勝4敗1分と相性がよかった。まずは最初の3連戦で、今年のロッテは昨季以上に手強いところを見せつけたい。
開幕投手の石川歩、先発が予想される小島和哉、佐々木朗希の3投手で楽天打線の勢いを止め、打線もレアード、マーティンといったポイントゲッターに得点圏で打席が回ってくるようにチャンスを作りたいところだ。
楽天との開幕カードを終えれば、本拠地・ZOZOマリンに帰って29日からソフトバンク3連戦、4月1日からは西武との3連戦が待っている。ホーム開幕6連戦では、ファンと球団が一丸となって戦うという想いを込めて、1回裏の攻撃前にZOZOマリンスタジアムのスタンドをチームカラーの1つである「ホワイト」に埋め尽くすイベント「MARINES WHITEOUT(マリーンズ・ホワイトアウト)」が行われる。熱いマリーンズファンのためにも、最低でも勝ち越したい。
昨年の開幕前はプロ野球解説者の順位予想で3位や4位が多かったが、2年連続2位に入り、今季は優勝予想にする解説者が多かった。例年に比べて注目度が高く、苦しいシーズンになるのではないかと予想するネガティブなファンもいる。ずば抜けた選手はいないが、選手ひとりひとりは着実にレベルアップしており、チーム力は確実に上がっている。
戦力的には若手、中堅、ベテランのバランスが取れており、優勝できる可能性が高い。だからこそ、しっかりと頂点をつかみ取り、目標とする“常勝軍団”への第一歩となるシーズンにしたい。
取材・文=岩下雄太