話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、2022年のプロ野球で注目の「シン(新)・1番打者」にまつわるエピソードを紹介する。
■ロッテ・高部瑛斗(大卒3年目、24歳)
オープン戦でファンを驚かせたのは、ロッテ・高部瑛斗の活躍です。昨季(2021年)の盗塁王であり、不動の1番だった荻野貴司が新型コロナウイルスに感染して出遅れたなか、代わって1番に抜擢されると、オープン戦通算56打数22安打、打率.393で首位打者に。5盗塁も12球団最多タイ。飛躍を予感させるには十分なオープン戦2冠獲得です。
国士舘大では通算129安打を放ち、東都2部の歴代最多安打記録を更新。プロ1年目の2020年はイースタン・リーグ2位の打率.344の好成績を残し、リーグ優秀選手賞・新人賞・努力賞を受賞。さらに、昨季は28盗塁でイースタン・リーグ盗塁王を獲得。実力は折り紙付きです。
高部は、白血病のため16歳の若さで早世した弟と交わした約束「プロ野球選手になって欲しい」が原動力となって、プロ入りの夢を叶えました。入団時には「1安打につき1万円を白血病患者の支援基金に寄付したい」と目標を掲げていた高部。昨季まで1軍でわずか9安打の選手が、1番打者としてどれだけヒットを稼げるのか? その活躍が、白血病患者の支援にもつながります。
■西武・鈴木将平(高卒6年目、23歳)
高部に次いで、オープン戦で打率2位を記録したのが、西武の新リードオフマン・鈴木将平です。オープン戦の成績は51打数17安打で打率.333。現レッズの秋山翔吾が退団して以降、固定しきれなかった1番の有力候補となり「ポスト秋山」に名乗りを挙げています。
昨季まで1軍では結果が出せなかった鈴木。昨秋から西武に新加入した平石洋介打撃コーチとともに取り組んで来た、下半身主導の打撃フォームが身に付いたことが、飛躍のきっかけになりました。また、昨季よりも体重を8キロ増量してキャンプイン。パワーアップも好結果に結び付きました。
ちなみに鈴木は出身地が静岡で、富士山グッズの収集を趣味にしています。日本一の名峰が持つパワーにもあやかって、チームを最下位から一気に日本一の頂点へと導けるかどうか? 先が楽しみな逸材です。
■中日・岡林勇希(高卒3年目、20歳)
セ・リーグでオープン戦好調だった新1番といえば、中日の岡林勇希です。オープン戦通算成績は57打数18安打で打率.316。打力向上が至上命題とされる立浪ドラゴンズで、リードオフマンとして期待を集めています。
飛躍のきっかけは昨年の春季キャンプ。このとき「臨時コーチ」として参加した立浪和義氏から、強化指定選手に選ばれ、つきっきりでバットを振りまくる日々を過ごしました。昨年、レギュラー獲得はなりませんでしたが、その成果を、指揮官となった立浪新監督のもとで存分に発揮しています。
開幕戦の相手・巨人と戦った3月15日のオープン戦では、第1打席で巨人先発・山口俊のストレートをセンター前へ。第2打席では山口のフォークをまたもセンター前。そして第3打席では3番手・高木の100キロ台のカーブを三たびセンター前へ。3安打の固め打ちで、立浪監督から「開幕1番当確」の合格点をもらいました。長期低迷が続くチームの起爆剤となれるか? 注目です。
■広島・西川龍馬(高卒7年目、27歳)
セ・リーグで注目の「新1番」と言えば、広島の西川龍馬も外せません。昨季はクリーンナップが主戦場でしたが、今季オープン戦では1番に入った4試合で11打数7安打、打率.636と大活躍。オープン戦通算でも33打数13安打で、規定打席未満ながら打率.394と高部以上の数字を記録。佐々岡監督も、すでに西川の開幕1番を明言しています。
西川といえば、アメリカに渡った鈴木誠也と同学年。同期のライバルとしてともに戦って来た選手が不在となって、これまで以上にチームのなかで重責を担わなければならなくなりました。
鈴木誠也がカブスと契約合意した際には「あいつが打てば刺激にもなる」というコメントも発表しただけに、日米で同期コンビが刺激し合って欲しいものです。
■楽天・西川遥輝(高卒12年目、29歳)
最後にもう1人、「新1番」として結果を出しているのが、日本ハムから楽天に移籍した西川遥輝です。
昨季、盗塁数がリーグ最少だった楽天にとって、盗塁王4度獲得の西川の存在は、チームの浮上にとってこれ以上ないプラス材料です。オープン戦では規定打席には届かなかったものの、33打数12安打で打率.364、出塁率.512をマーク。楽天のオープン戦1位の立役者の1人と言えます。
また、西川獲得で思わぬ効果を上げているのがグッズ売上。2月時点では2位に大差をつけ、タオル売上でチーム1位を記録しているそうです。攻撃面でも人気面でも、このままリードオフマンとなれるのか、大いに注目です。
昨シーズンを振り返っても、オリックスでは5月からリードオフマンを務めた福田周平選手がチームを牽引。一方、ヤクルトでは入団4年目で飛躍した塩見泰隆がキャリアハイの成績を残し、ベストナインを獲得。セ・パを制した両チームに、新たな1番打者の活躍がありました。今季のプロ野球をリードしてくれるのは、どの球団の1番打者なのか? 開幕戦、最初に打席に立つ各球団のトップバッターに注目です。
■ロッテ・高部瑛斗(大卒3年目、24歳)
オープン戦でファンを驚かせたのは、ロッテ・高部瑛斗の活躍です。昨季(2021年)の盗塁王であり、不動の1番だった荻野貴司が新型コロナウイルスに感染して出遅れたなか、代わって1番に抜擢されると、オープン戦通算56打数22安打、打率.393で首位打者に。5盗塁も12球団最多タイ。飛躍を予感させるには十分なオープン戦2冠獲得です。
国士舘大では通算129安打を放ち、東都2部の歴代最多安打記録を更新。プロ1年目の2020年はイースタン・リーグ2位の打率.344の好成績を残し、リーグ優秀選手賞・新人賞・努力賞を受賞。さらに、昨季は28盗塁でイースタン・リーグ盗塁王を獲得。実力は折り紙付きです。
高部は、白血病のため16歳の若さで早世した弟と交わした約束「プロ野球選手になって欲しい」が原動力となって、プロ入りの夢を叶えました。入団時には「1安打につき1万円を白血病患者の支援基金に寄付したい」と目標を掲げていた高部。昨季まで1軍でわずか9安打の選手が、1番打者としてどれだけヒットを稼げるのか? その活躍が、白血病患者の支援にもつながります。
■西武・鈴木将平(高卒6年目、23歳)
高部に次いで、オープン戦で打率2位を記録したのが、西武の新リードオフマン・鈴木将平です。オープン戦の成績は51打数17安打で打率.333。現レッズの秋山翔吾が退団して以降、固定しきれなかった1番の有力候補となり「ポスト秋山」に名乗りを挙げています。
昨季まで1軍では結果が出せなかった鈴木。昨秋から西武に新加入した平石洋介打撃コーチとともに取り組んで来た、下半身主導の打撃フォームが身に付いたことが、飛躍のきっかけになりました。また、昨季よりも体重を8キロ増量してキャンプイン。パワーアップも好結果に結び付きました。
ちなみに鈴木は出身地が静岡で、富士山グッズの収集を趣味にしています。日本一の名峰が持つパワーにもあやかって、チームを最下位から一気に日本一の頂点へと導けるかどうか? 先が楽しみな逸材です。
■中日・岡林勇希(高卒3年目、20歳)
セ・リーグでオープン戦好調だった新1番といえば、中日の岡林勇希です。オープン戦通算成績は57打数18安打で打率.316。打力向上が至上命題とされる立浪ドラゴンズで、リードオフマンとして期待を集めています。
飛躍のきっかけは昨年の春季キャンプ。このとき「臨時コーチ」として参加した立浪和義氏から、強化指定選手に選ばれ、つきっきりでバットを振りまくる日々を過ごしました。昨年、レギュラー獲得はなりませんでしたが、その成果を、指揮官となった立浪新監督のもとで存分に発揮しています。
開幕戦の相手・巨人と戦った3月15日のオープン戦では、第1打席で巨人先発・山口俊のストレートをセンター前へ。第2打席では山口のフォークをまたもセンター前。そして第3打席では3番手・高木の100キロ台のカーブを三たびセンター前へ。3安打の固め打ちで、立浪監督から「開幕1番当確」の合格点をもらいました。長期低迷が続くチームの起爆剤となれるか? 注目です。
■広島・西川龍馬(高卒7年目、27歳)
セ・リーグで注目の「新1番」と言えば、広島の西川龍馬も外せません。昨季はクリーンナップが主戦場でしたが、今季オープン戦では1番に入った4試合で11打数7安打、打率.636と大活躍。オープン戦通算でも33打数13安打で、規定打席未満ながら打率.394と高部以上の数字を記録。佐々岡監督も、すでに西川の開幕1番を明言しています。
西川といえば、アメリカに渡った鈴木誠也と同学年。同期のライバルとしてともに戦って来た選手が不在となって、これまで以上にチームのなかで重責を担わなければならなくなりました。
鈴木誠也がカブスと契約合意した際には「あいつが打てば刺激にもなる」というコメントも発表しただけに、日米で同期コンビが刺激し合って欲しいものです。
■楽天・西川遥輝(高卒12年目、29歳)
最後にもう1人、「新1番」として結果を出しているのが、日本ハムから楽天に移籍した西川遥輝です。
昨季、盗塁数がリーグ最少だった楽天にとって、盗塁王4度獲得の西川の存在は、チームの浮上にとってこれ以上ないプラス材料です。オープン戦では規定打席には届かなかったものの、33打数12安打で打率.364、出塁率.512をマーク。楽天のオープン戦1位の立役者の1人と言えます。
また、西川獲得で思わぬ効果を上げているのがグッズ売上。2月時点では2位に大差をつけ、タオル売上でチーム1位を記録しているそうです。攻撃面でも人気面でも、このままリードオフマンとなれるのか、大いに注目です。
昨シーズンを振り返っても、オリックスでは5月からリードオフマンを務めた福田周平選手がチームを牽引。一方、ヤクルトでは入団4年目で飛躍した塩見泰隆がキャリアハイの成績を残し、ベストナインを獲得。セ・パを制した両チームに、新たな1番打者の活躍がありました。今季のプロ野球をリードしてくれるのは、どの球団の1番打者なのか? 開幕戦、最初に打席に立つ各球団のトップバッターに注目です。