● 楽天 0 - 4 ロッテ ○
<1回戦・楽天生命パーク>
『頂点を、つかむ。』をチームスローガンに掲げ1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を目指すロッテは25日、楽天との開幕戦に4-0で勝利。昨季は開幕5連敗スタートだっただけに、今季は幸先の良いスタートとなった。
楽天の先発・則本昂大の前に4回に中村奨吾が四球で出塁するも、5回まで出塁はわずかに1度、ノーヒットに抑え込まれた。
0-0の6回に“ロッテらしい”攻撃を見せる。一死走者なしから9番・平沢大河が四球で出塁すると、続く1番・髙部瑛斗が則本の初球を三塁線にセーフティバント。これが内野安打となり一、二塁とすると、マーティンの死球で満塁に。3番・中村がレフト前に安打を放ち、三塁走者の平沢に続いて二塁から髙部も俊足を飛ばしてホームイン。さらに一塁走者のマーティンも三塁へ進んだ。ここで注目したいのは、レフト前に落ちる安打で髙部、マーティンが積極的に“1つ先の塁”を狙ったこと。続く4番・レアードがレフト前にはじき返す安打で、三塁走者のマーティンが生還した。マーティンが三塁まで進塁したことで、繋がった3点目といえる。この回挙げた3点は下位打線からチャンスを作り上位打線で還す、さらには足を絡めるロッテらしい攻撃だった。
3-0の8回には先頭のマーティンが四球で出塁すると、和田康士朗が代走で登場。「早いカウントでいかないと、バッターにも迷惑がかかってしまいます。なるべく早いカウントで走るようにしています」と話す和田は、続く中村奨吾の初球に二塁盗塁成功。今季も早いカウントから積極的に仕掛けた。中村が三振に倒れるも、レアードの打席中に暴投で和田は三塁へ進み、レアードが右中間を破る二塁打で1点を追加した。レアードのあたりはセンターへの犠牲フライになるような当たりだったが、レアードが二塁打にしているところも“1つ先の塁を狙う走塁”が見られた場面のひとつといえる。
4-0で勝利したとはいえ、今後に向けて課題も残った。中村、レアードの連続適時打で3点を先制し、なお一死満塁の好機に岡大海が二直で二塁走者のレアードが戻れずアウト。7回も先頭の藤岡裕大が右安、続く松川虎生が1球目できっちり送りバントを決めたが、平沢が二飛、髙部が三ゴロで無得点。9回も一死満塁としたが中村が一邪飛、途中出場の小川龍成が左飛に倒れ、得点することができなかった。
開幕戦で硬さはあったとはいえ、6回以降は毎回のように走者を出していただけに、欲をいえばもう少し得点をとっておきたかったところ。ただマリーンズは昨季の後半から“1点のリード”を投手陣が守りきり、勝利を積み重ねてきた。そういった意味では、マリーンズらしい勝ち方だった。
文=岩下雄太