● オリックス 0 - 4 ロッテ ○
<4回戦・京セラD大阪>
2試合連続1安打完封負け、28イニング連続無得点、先発陣が安定している中で打線が振るわず5連敗中だったロッテは、オリックスに4-0で勝利し連敗を止めた。
ロッテ“らしい”攻撃で久しぶりに得点を挙げた。0-0の2回先頭の菅野剛士が二塁打で出塁すると、続く岡大海がきっちりと1球目でバントを決めた。一死三塁となって佐藤都志也が先発・山崎福也に対し、追い込まれてからノーステップ気味でファウルを打つなど食らいつき、粘りに粘った7球目のストレートをレフトへ放ち、犠牲フライで先制。これがロッテにとって30イニングぶりの得点となった。
試合前までチーム本塁打がリーグワーストの5本と長打力に課題を抱えているが、1-0の4回にこの日プロ入り後初めて4番に座った山口航輝がセンターへ特大の一発。さらに岡がレフトスタンド上段に飛び込む特大弾で、この回2点を挙げた。
勝利のために追加点が欲しい3-0の8回には、レアードの犠飛で4点目。投手陣は先発・ロメロが7回途中無失点に抑えると、東條大樹、西野勇士、最終回は4点リードあったこともあり守護神の益田直也ではなく、小野郁がマウンドに上がり、1回を無失点に抑え試合を締めた。3連戦の初戦、守護神を温存できたことで2戦目、3戦目、1点勝負になったときに連投が可能な状況にあるのは心強い。そういった意味でも、8回の4点目は非常に大きかった。
◆ 頼りになるキャプテン
プロ初の4番で一発を放った山口航輝、7回途中無失点に抑え防御率0.34にしたロメロ、ピンチを火消した東條大樹、先制の犠飛に投手陣を無失点に抑える好リードを見せた佐藤都志也と勝利に貢献した選手が多かったなかで、存在感を放ったのがキャプテンの中村奨吾だ。
打っては2安打、守っても1-0の3回一死一、三塁で福田周平が放ったセカンドベース付近の打球に逆シングルでキャッチしそのままグラブトスで二塁へ送り4-6-3の併殺でロメロのピンチを救えば、3-0の7回も無死一塁から頓宮裕真のセンター付近のライナーをダイビングキャッチ。
安打ではないが、4点目に繋がった8回の第4打席も素晴らしかった。3-0の8回に先頭の髙部瑛斗がセンター前に放ち出塁し、続く中村の打席中に二塁盗塁を決める。中村は3ボール2ストライクから3球連続で右方向に狙ったようなファウルを打ち、最後は二ゴロで二塁走者の髙部を三塁へ進め、レアードの犠飛に繋げた。
先頭打者が出塁したイニングはいずれも得点につながり、犠打や盗塁で走者を進めて犠飛で得点し、4回は先頭の山口が一発を放ち、このリードを投手陣が守り抜く、理想的な戦い方で勝利した。こういった試合を増やしていけば、チームも流れに乗っていける。大事なのは23日の試合。オリックスの先発が山岡泰輔ということを考えれば、多くの得点は見込めない。先制点を奪い、開幕から安定した投球を見せる石川歩がオリックス打線を封じ、そのリードを守っていく展開に持ち込みたい。
文=岩下雄太