今週4勝2敗
ロッテは首位・楽天、2位・ソフトバンクと続いた6試合を4勝2敗と勝ち越し、交流戦前最後の戦いを終えた。
2勝1敗と勝ち越した楽天との3連戦の初戦、先発・田中将大に6回まで1得点に抑えられるも、2点ビハインドの7回に5点を奪い逆転勝ち。ソフトバンクとの3連戦の初戦も千賀滉大から4回までに4点を奪い、終盤にリリーフ陣を打ち崩し8-1で勝利した。楽天、ソフトバンクともに“エース”を打ってカード初戦を取れたのが大きかった。
選手個々に目を向けると、ソフトバンクとの3連戦では1番・髙部瑛斗が存在感を発揮し、1、2戦ともに初回の第1打席に安打を放ち、いずれも先制点に繋がった。2戦目は3安打2四球と全打席に出塁した。開幕から打撃不調だったマーティンは18日の楽天戦、0-0の10回にライトスタンド上段にサヨナラ本塁打、21日のソフトバンク戦では2-2の8回に今季失点がなかった又吉克樹から決勝の2ランと、今週はチームの勝利につながる本塁打を2本放った。マーティンが復調したことで、1番・髙部が出塁し、クリーンナップで還すというケースが増えた。
下位から上位への流れ
1番からのチャンスメイクだけでなく、下位打線からチャンスを作り、上位で得点を取るという攻撃も多い。1-3の7回に一挙5点を奪った17日の楽天戦は7番・岡大海が左本、8番・エチェバリアが左安、1番・髙部の遊安で一死一、二塁とすると、2番・中村奨吾、3番・佐藤都志也の連続適時打で逆転すれば、20日のソフトバンク戦も4-1の8回二死走者なしから8番・エチェバリア、9番・柿沼友哉の連打でチャンスメイクし、髙部、中村、マーティンの連続適時打で3点を挙げた。さらに、21日の試合も1-2の6回に先頭の9番・松川虎生、1番・髙部の連打で一、二塁とし、2番・中村の適時打で同点に追いついた。
1番・髙部、3番・マーティンの間を打つ2番・中村が良い味を出している。今週は下位打線が多くチャンスメイクしたこともあり、得点圏で打席が回ることが多く5打点を挙げた。打つだけでなく、21日の試合では2-2の8回無死一塁の打席できっちりと送りバントを決めて、マーティンの勝ち越し2ランに繋げた。チャンスを広げる役割だけでなく、ポイントゲッターとしても機能し、打線全体に良い流れを呼んでいる。
投手陣は変わらず安定
投手陣も今週先発した6投手が全員クオリティ・スタート(6回以上3自責点以内)を達成。10日の楽天戦から12試合連続で先発投手は、5イニング以上投げている。
リリーフ陣も開幕から勝ちパターンに苦労していたが、7回・東條大樹、8回・西野勇士(21日に特例2022で一軍登録抹消)とゲレーロ、9回・益田直也の“勝利の方程式”の形ができつつある。
15日にプロ初昇格を果たした八木彬も、楽しみな存在だ。今週3試合に登板し、いずれも無失点。奪三振数が非常に多く19日の楽天戦は3つのアウトを全て三振で仕留めるなど、今週は3試合・3イニングを投げて、7個の三振を奪った。今季の投球成績を見ても、4試合・4イニング、9奪三振、自責点0に抑えている。奪三振力もあり、このまま結果を残し続ければ、勝ちパターンでの起用も十分に考えられそうだ。
今季の救援防御率は3.84だが、勝ちパターン、ビハインドゲームで投げる投手たちのクオリティは確実に上がっている。
首位・楽天、2位・ソフトバンク、上位球団との対戦をいずれも2勝1敗と勝ち越し、ようやく投打が噛み合ってきた。そこに角中勝也が22日に一軍復帰し、同日のソフトバンク戦に代打で登場して今季初安打をマーク。荻野貴司も22日のヤクルトとの二軍戦に『1番・左翼』で先発し、6回に本塁打を放った。チーム状態が上がってきたなかで、この勢いのまま24日からの交流戦でも白星を積み重ねていきたい。
文=岩下雄太