開幕から貧打に喘いでいたロッテ打線だが、ここへきて昨季最多安打と盗塁王に輝いた荻野貴司、首位打者の経験を持つ角中勝也が復帰した。荻野は復帰した5月27日の阪神戦から3試合連続安打中で、29日の阪神戦では今季初めて1番で先発。角中も5月22日に一軍昇格すると、同日のソフトバンク戦に代打で安打、スタメン出場した3試合は全て安打を放っている。
荻野、角中が復帰し、レアードも打率こそ.213だが、8本塁打はリーグ3位タイ、27打点もリーグ4位、キャプテン・中村奨吾も20日のソフトバンク戦から28日の阪神戦にかけて8試合連続出塁、開幕から状態がいまひとつで現在もまだまだ本調子とはいえないマーティンも3試合連続出塁中と、打線を支える中堅、ベテラン選手たちが復帰、復調しつつある。この先の戦いに向けて明るい材料だ。
その一方で、開幕からチャンスのあった若手選手たちはより一層奮起する必要がある。現状ではレギュラーを掴んだと呼べる若手は、開幕から50試合連続で1番を務め、現在リーグトップの15盗塁、リーグ2位の57安打を記録する髙部瑛斗のみ。勝負強い打撃と捕手、一塁をこなす大卒3年目の佐藤都志也、開幕から石川歩、佐々木朗希、美馬学などが先発のときにマスクをかぶるドラフト1位ルーキーの松川虎生もスタメンで出場することが多い。
そのほかの若手選手は昨季からそうだが、単発でいい働きを見せるもそれを継続することができず、なかなか先発での出場を増やすことができていないのが現状だ。
外野は主力選手が復帰し、マーティンの状態が戻れば、ポジションが固まりつつあるなかで、内野は引き続きチャンスがある。特に三遊間は藤岡裕大が現在一軍登録抹消中で、出場する選手に応じてエチェバリアが三塁、遊撃を守っており、三塁、遊撃のどちらかで若手選手がアピールすればポジションをモノにできる状況だ。一軍にいる若手内野陣でいえば、安田尚憲、小川龍成は全力でポジションを掴み取りたいところ。
安田はプロ入りから2年間はみっちり二軍で鍛え、2年目の19年にはファームで本塁打、打点のタイトルを獲得し、3年目に一軍定着と順調にステップアップしているように見えたが、昨季の後半あたりから成長速度が落ちついてしまっている。
成長過程の選手に対して過去の話をするのは大変失礼ではあるが、19年、ロッテ浦和球場で行われた巨人との練習試合で、ライト防球ネットを越える特大の本塁打を記者席から見たときに、数年後は一軍で何本も特大のアーチを描いてくれるだろうというワクワク感があった。長打、そして勝負所での一打という部分に期待したい。
昨季も開幕直後に打撃不振でファームに降格し、7月に再昇格を果たして7・8月の月間MVPに輝いた藤原恭大、秋口に存在感を示した佐藤、山口航輝の例があるように、まだまだ半分以上試合は残っており、この先一気にポジションを掴む若手が出てくる可能性も十分に考えられる。若手野手の成長速度に物足りなさを感じてしまうファンも多いと思うが、何かを掴もうと選手たちは試行錯誤している。シーズンが終わったときに一人でも多く、一軍で自身の居場所を掴んだ選手がいることを願うばかりだ。
文=岩下雄太
荻野、角中が復帰し、レアードも打率こそ.213だが、8本塁打はリーグ3位タイ、27打点もリーグ4位、キャプテン・中村奨吾も20日のソフトバンク戦から28日の阪神戦にかけて8試合連続出塁、開幕から状態がいまひとつで現在もまだまだ本調子とはいえないマーティンも3試合連続出塁中と、打線を支える中堅、ベテラン選手たちが復帰、復調しつつある。この先の戦いに向けて明るい材料だ。
その一方で、開幕からチャンスのあった若手選手たちはより一層奮起する必要がある。現状ではレギュラーを掴んだと呼べる若手は、開幕から50試合連続で1番を務め、現在リーグトップの15盗塁、リーグ2位の57安打を記録する髙部瑛斗のみ。勝負強い打撃と捕手、一塁をこなす大卒3年目の佐藤都志也、開幕から石川歩、佐々木朗希、美馬学などが先発のときにマスクをかぶるドラフト1位ルーキーの松川虎生もスタメンで出場することが多い。
そのほかの若手選手は昨季からそうだが、単発でいい働きを見せるもそれを継続することができず、なかなか先発での出場を増やすことができていないのが現状だ。
外野は主力選手が復帰し、マーティンの状態が戻れば、ポジションが固まりつつあるなかで、内野は引き続きチャンスがある。特に三遊間は藤岡裕大が現在一軍登録抹消中で、出場する選手に応じてエチェバリアが三塁、遊撃を守っており、三塁、遊撃のどちらかで若手選手がアピールすればポジションをモノにできる状況だ。一軍にいる若手内野陣でいえば、安田尚憲、小川龍成は全力でポジションを掴み取りたいところ。
安田はプロ入りから2年間はみっちり二軍で鍛え、2年目の19年にはファームで本塁打、打点のタイトルを獲得し、3年目に一軍定着と順調にステップアップしているように見えたが、昨季の後半あたりから成長速度が落ちついてしまっている。
成長過程の選手に対して過去の話をするのは大変失礼ではあるが、19年、ロッテ浦和球場で行われた巨人との練習試合で、ライト防球ネットを越える特大の本塁打を記者席から見たときに、数年後は一軍で何本も特大のアーチを描いてくれるだろうというワクワク感があった。長打、そして勝負所での一打という部分に期待したい。
昨季も開幕直後に打撃不振でファームに降格し、7月に再昇格を果たして7・8月の月間MVPに輝いた藤原恭大、秋口に存在感を示した佐藤、山口航輝の例があるように、まだまだ半分以上試合は残っており、この先一気にポジションを掴む若手が出てくる可能性も十分に考えられる。若手野手の成長速度に物足りなさを感じてしまうファンも多いと思うが、何かを掴もうと選手たちは試行錯誤している。シーズンが終わったときに一人でも多く、一軍で自身の居場所を掴んだ選手がいることを願うばかりだ。
文=岩下雄太