若きバッテリーに求める「大胆さ」
オリックスは12日、本拠地で阪神に1-9で敗戦。
“関西ダービー”で3連敗を喫し、6月は怒涛の6連勝からの5連敗。4位でリーグ戦再開を迎えることとなった。
この日は自身5連勝中の左腕・宮城大弥を先発に立てて連敗ストップを目指したが、3回に近本光司と佐藤輝明の連続適時打で2失点。5回も二死ながら満塁のピンチを招き、「気を付けたい」と話していた大山悠輔に適時打を浴びてさらに2点を失った。
結局この日は6回4失点で降板となり、「追い込んでから高めに浮いて甘く入ってしまうボールもありましたし、カウント有利の場面で打たれてしまった。ストライク、ボールがハッキリしてしまっていたと思います」と反省の弁。「なんとかゲームを作って行きたかったのですが、申し訳ないです」と肩を落とした。
その後も7回は比嘉幹貴と山田修義が1点ずつを失い、9回はK-鈴木が佐藤輝にライトの5階席まで運ばれる特大の13号3ランを浴びて万事休す。打線も相手先発のジョー・ガンケルを前に福永奨のプロ初安打となる内野安打と、ジョー・マッカーシーの単打2本に封じ込まれてゼロ行進。9回二死から杉本裕太郎の適時二塁打で完封は阻止したが、ガンケルに来日初完投勝利を許した。
中嶋聡監督は宮城について「ストライク、ボールがちょっとハッキリしていた」と同じように振り返りつつ、5回に大山に許した適時打には「チェンジアップが浮いたんですよね。あそこだけは大事に行ってほしかったんですけど、打った方もよくついて行ったと思います」とコメント。
ルーキー・福永とのコンビに関しても「まっすぐが少なかったかなという部分はちょっとある。もう少し大胆に行っていいはずなんですが、やっぱりそういうところでの経験のなさというか。お互い慎重になり過ぎて、大胆さが途中でなくなったように見えた」とし、慎重な姿勢が目立った点を指摘した。
また、ガンケルに封じ込まれた打線については「良いピッチャーなので、どんどんストライクが来ると分かっていて早めに仕掛けたとは思うんですが、そこを打つ技術がなかったというだけ。振って行くというのは気持ち的には全然良いんですけど、その上を行かれた」と相手のボールを称賛。
そのうえで「今度はそのさらに上を行って、しっかりと捉えていけるようにならないといけない」とし、さらなるレベルの向上を求めた。
交流戦は8勝10敗と負け越して終了。借金4でリーグ戦の再開を迎えることとなるが、「悔しいですけど、全然終わったわけじゃない。立て直す期間もありますので」と指揮官は前を向く。
17日(金)の西武戦に向けて「ピッチャー陣ももっと攻めて行けるようにならなきゃいけないですし、立て直す期間として有効に使わなきゃいけない」と語り、次なる戦いを見据えた。
取材・文=どら増田