レジェンドも「良い場面で見たいね」
中日は巨人との3連戦に2勝1敗で勝ち越し。
カード3連勝を目指した19日の試合は3-5で敗れたが、9回にはこのカード最大と言っても過言ではない“盛り上がり”が訪れた。
この回から登板した谷元圭介が巨人の上位打線から2つのアウトを奪うと、二死走者なしで4番・岡本和真を迎えたところで投手が交代。バンテリンドームのマウンドに背番号7・根尾昂が登場した。
右腕は最速151キロを計測するなど、リーグ屈指の大砲を相手に真っ向勝負。最後は高めの149キロを振らせて空振りの三振。場内は大きな拍手に包まれた。
19日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した阿波野秀幸氏も、「この日一番の盛り上がりでした」と振り返ったひと幕。根尾の投球が空気を変えたか、中日はその裏に巨人の守護神・大勢を攻め立て、高橋周平の2ランで2点差に。追いつくことはできなかったが、反撃の呼び水となった。
昨季まで中日の投手コーチを務めていた阿波野氏は、根尾の起用について「きょうは登板を“あえて作った”という感じ」とし、「今後どう起用していくのかは注目していますが、当然チームは勝つために選手を起用していく。この後は6連戦もあるので、その中で2回くらい登板して、1イニングを任せられるとなれば即戦力と。もしその中で先発や、長いイニングを求めようとなれば、もうちょっと時間を作ってから一軍に合流とかも考えて行かないといけない」と持論を展開。なかなか前例のないシーズン中の“投手転向”だけに、より明確な方向性を定めて行くべきだと見解を述べた。
また、「ブルペン陣もそわそわすると思う。根尾の後をフォローする投手を作らないといけない場面も出てくるかもしれない」と、他の選手に与える影響についても指摘。「チーム全体で考えて、良い方向に行ってほしいですね」と、今後の展開に期待を寄せている。
同じく番組に出演した中日のレジェンド・谷沢健一氏も「良い場面で見たいね。投手も野手も、チームメイトは見ている。『なんだ、根尾だけ…』と言わせないためにも、生きる道を見つけてほしい」とエールを送った。
プロ4年目でスタートした「投手・根尾昂」としての野球人生。今後の登板から目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』