4月13日の巨人との二軍戦で“復活”への第一歩を踏み出したロッテの種市篤暉は、一軍のマウンドを目指し実戦登板を積み重ねている。
プロ3年目の19年にチームトップタイの8勝をマークし、背番号を63から16に変更した20年は7月11日の西武戦後にリーグトップの奪三振数を記録すれば、同月25日の西武戦ではプロ入り初完封勝利を飾った。“エース不在”だったロッテ投手陣のなかで、“エースへの階段”を登っていたが、20年8月1日の楽天戦後に一軍登録を抹消され、同年9月14日に横浜市内の病院でトミー・ジョン手術を受けた。
長いリハビリを経て4月13日の巨人戦で復帰を果たすと、5月20日のヤクルト戦で復帰後初のイニングまたぎとなる2イニングを投げ、6月4日にZOZOマリンスタジアムで行われた日本海オセアンリーグ選抜チームとの練習試合で復帰後初先発を果たし4回を投げ1失点に抑えた。6月12日のDeNA戦で復帰後最長となる5イニング・85球を投げ、中6日で先発した前回登板の19日ヤクルト戦も5回・85球、1失点という投球だった。
種市の最大の魅力といえば、躍動感の溢れる投球フォームから繰り出されるワクワクするようなストレート。トミー・ジョン手術後の登板を見ていると、5月12日の巨人戦で岡本大翔に1ボール1ストライクから投じた148キロの外角ストレート、5月28日DeNA戦の4-1の7回二死走者なしから細川成也に投じた5球目の外角低めの148キロ見逃し三振ストレートなど、右打者へのアウトコースのストレートが良い。特に投球を見ていて、5月28日のDeNA戦は全体的に右打者への外角のストレートが素晴らしかった。
右打者のアウトコースへのストレートを含めた現状の自身のストレートについて種市は「決まったときはいいなと思うことはありますが、決めようとしすぎて力んでしまうことがあるので、そこはこれから改善かなと思います」と一定の評価をしつつも、もう少し精度をあげていく必要があると考えているようだ。
ストレートとともに種市の投球を支えているのがフォークとスライダー。チームトップタイの8勝を挙げた19年はカウント球で投げるストライクゾーンからストライクゾーンへのフォーク、ストライクゾーンからボールゾーンに投げるフォーク、当時キャッチボールパートナーだった有吉優樹(現DeNA)から教わり数日後には実戦で投げた“有吉さんスライダー”、縦に落ちるスライダーなどを投げ分け、20年もシンカー気味に落ちるフォークや、小さく曲がる速いスライダーなどを投げていた。
フォークとスライダーはトミー・ジョン手術後、自身が思い描く軌道の球を投げられているのだろうかーー。
「今日(19日のヤクルト戦)のフォークはよくなかったです」としながらも、「横須賀で投げたときのフォークは、カウントも空振りも取れてよかったと思います」と振り返った。スライダーに関しては「継続的という感じですが、2ストライクから見逃されることが多いのでまだまだ改善が必要です」と自己分析した。
ファームで一軍復帰を目指し、腕を振っている種市だが、今現在一軍の打者に投げるために技術面、投球面で必要だと感じていることはなんだろうかーー。
「まっすぐの強さとアベレージ。ここは今一番欲しいところなので、もっともっと精度を上げていきたいです」。
ZOZOマリンスタジアムの一軍のマウンドでワクワクするストレート、落差の大きいフォーク、奪三振、そしてチームを勝利に導く投球、持っているポテンシャル、考え方を含めて一軍に戻ったときへの期待は自然と大きくなる。順調に一軍復帰へのステップを踏んでおり、そう遠くないうちに一軍での登板が見られそうな予感だ。種市が“復活”したときにロッテ大逆転優勝への期待も膨らむ。
▼ 種市篤暉の今季投球成績
4月13日vs巨人(ロッテ浦和)リリーフ
1回 15球 0安打 1奪三振 0与四死球 0失点
4月20日vs西武(ロッテ浦和)リリーフ
0回2/3 33球 4安打 0奪三振 2与四死球 3失点
5月12日vs巨人(ロッテ浦和)リリーフ
1回 11球 0安打 1奪三振 0与四死球 0失点
5月20日vsヤクルト(戸田)リリーフ
2回 40球 1安打 3奪三振 2与四死球 0失点
5月28日vsDeNA(ロッテ浦和)リリーフ
3回 43球 2安打 3奪三振 0与四死球 1失点
6月4日vs日本海オセアンリーグ選抜チーム(ZOZOマリン)先発
4回 67球 4安打 5奪三振 1与四死球 1失点
6月12日vsDeNA(横須賀)先発
5回 85球 1安打 7奪三振 2与四死球 1失点
6月19日vsヤクルト(柏)先発
5回 85球 5安打 3奪三振 2与四死球 1失点
取材・文=岩下雄太
プロ3年目の19年にチームトップタイの8勝をマークし、背番号を63から16に変更した20年は7月11日の西武戦後にリーグトップの奪三振数を記録すれば、同月25日の西武戦ではプロ入り初完封勝利を飾った。“エース不在”だったロッテ投手陣のなかで、“エースへの階段”を登っていたが、20年8月1日の楽天戦後に一軍登録を抹消され、同年9月14日に横浜市内の病院でトミー・ジョン手術を受けた。
長いリハビリを経て4月13日の巨人戦で復帰を果たすと、5月20日のヤクルト戦で復帰後初のイニングまたぎとなる2イニングを投げ、6月4日にZOZOマリンスタジアムで行われた日本海オセアンリーグ選抜チームとの練習試合で復帰後初先発を果たし4回を投げ1失点に抑えた。6月12日のDeNA戦で復帰後最長となる5イニング・85球を投げ、中6日で先発した前回登板の19日ヤクルト戦も5回・85球、1失点という投球だった。
種市の最大の魅力といえば、躍動感の溢れる投球フォームから繰り出されるワクワクするようなストレート。トミー・ジョン手術後の登板を見ていると、5月12日の巨人戦で岡本大翔に1ボール1ストライクから投じた148キロの外角ストレート、5月28日DeNA戦の4-1の7回二死走者なしから細川成也に投じた5球目の外角低めの148キロ見逃し三振ストレートなど、右打者へのアウトコースのストレートが良い。特に投球を見ていて、5月28日のDeNA戦は全体的に右打者への外角のストレートが素晴らしかった。
右打者のアウトコースへのストレートを含めた現状の自身のストレートについて種市は「決まったときはいいなと思うことはありますが、決めようとしすぎて力んでしまうことがあるので、そこはこれから改善かなと思います」と一定の評価をしつつも、もう少し精度をあげていく必要があると考えているようだ。
ストレートとともに種市の投球を支えているのがフォークとスライダー。チームトップタイの8勝を挙げた19年はカウント球で投げるストライクゾーンからストライクゾーンへのフォーク、ストライクゾーンからボールゾーンに投げるフォーク、当時キャッチボールパートナーだった有吉優樹(現DeNA)から教わり数日後には実戦で投げた“有吉さんスライダー”、縦に落ちるスライダーなどを投げ分け、20年もシンカー気味に落ちるフォークや、小さく曲がる速いスライダーなどを投げていた。
フォークとスライダーはトミー・ジョン手術後、自身が思い描く軌道の球を投げられているのだろうかーー。
「今日(19日のヤクルト戦)のフォークはよくなかったです」としながらも、「横須賀で投げたときのフォークは、カウントも空振りも取れてよかったと思います」と振り返った。スライダーに関しては「継続的という感じですが、2ストライクから見逃されることが多いのでまだまだ改善が必要です」と自己分析した。
ファームで一軍復帰を目指し、腕を振っている種市だが、今現在一軍の打者に投げるために技術面、投球面で必要だと感じていることはなんだろうかーー。
「まっすぐの強さとアベレージ。ここは今一番欲しいところなので、もっともっと精度を上げていきたいです」。
ZOZOマリンスタジアムの一軍のマウンドでワクワクするストレート、落差の大きいフォーク、奪三振、そしてチームを勝利に導く投球、持っているポテンシャル、考え方を含めて一軍に戻ったときへの期待は自然と大きくなる。順調に一軍復帰へのステップを踏んでおり、そう遠くないうちに一軍での登板が見られそうな予感だ。種市が“復活”したときにロッテ大逆転優勝への期待も膨らむ。
▼ 種市篤暉の今季投球成績
4月13日vs巨人(ロッテ浦和)リリーフ
1回 15球 0安打 1奪三振 0与四死球 0失点
4月20日vs西武(ロッテ浦和)リリーフ
0回2/3 33球 4安打 0奪三振 2与四死球 3失点
5月12日vs巨人(ロッテ浦和)リリーフ
1回 11球 0安打 1奪三振 0与四死球 0失点
5月20日vsヤクルト(戸田)リリーフ
2回 40球 1安打 3奪三振 2与四死球 0失点
5月28日vsDeNA(ロッテ浦和)リリーフ
3回 43球 2安打 3奪三振 0与四死球 1失点
6月4日vs日本海オセアンリーグ選抜チーム(ZOZOマリン)先発
4回 67球 4安打 5奪三振 1与四死球 1失点
6月12日vsDeNA(横須賀)先発
5回 85球 1安打 7奪三振 2与四死球 1失点
6月19日vsヤクルト(柏)先発
5回 85球 5安打 3奪三振 2与四死球 1失点
取材・文=岩下雄太