感謝と喜びの会見
21日に支配下登録が発表されたDeNAの2年目左腕・石川達也投手(24)が会見に臨み、喜びと決意を口にした。
昨季はファームで前半4勝も故障離脱と、悔しいルーキーイヤーを過ごしたが、今季は春季キャンプから好調を維持。オープン戦で横浜スタジアムデビューを果たし、ファーム公式戦では14試合に救援登板し、21回1/3をわずか1失点。1勝0敗2セーブ、防御率0.42の無双状態で、支配下登録を勝ち取ることに成功した。
「先日支配下にして頂いて、これから一軍に行けるチャンスを頂けたということで、より一層これから頑張っていきたいなと思います」と第一声。「一番にすごくホッとしています。嬉しい気持ちでいっぱいです」と続けた。家族報告の際に「両親ふたりとも泣いていましたし、それを見てグッと来るものがあり、もっと頑張らなければ」と気を引き締めた。
プロ野球の世界に飛び込んで約1年半。「去年一年間プロ野球の世界を経験して、持ち味の真っ直ぐがファームでは通用したと自分では思っていた」と自信も手に2年目を迎えた。
「今年はキャンプから真っ直ぐの質を上げたいなと思って練習してきたのが、ファームの成績に繋がっているのかな」と、磨きをかけた速球の進化も実感しているようで、「オープン戦で一軍も経験させて頂いて、真っ直ぐで空振りが取れていたことを評価して頂いた。これからも磨いていこうと思います」とさらなるブラッシュアップを図る。
背番号は95に決定。「去年まで藤岡(好明)さんがコーチで付けていた番号なので、藤岡さんの顔を汚さないようにやっていきたい」と昨年まで教えを請うたコーチへの感謝も忘れなかった。
目標はズバリ「健二朗さん」
法政の先輩である三嶋一輝には「何かお祝い用意しないとなと言ってもらいました」と笑顔。
また、最初に報告したチームメイトは師と仰ぐ田中健二朗だったことを明かし「昨年の秋季キャンプで『年末何してるの』と言われ『予定はないです』と答えたら自主トレに誘って頂いて。一軍を長く経験している方なので、一軍のバッターのことや投球術を教えて頂きました」と振り返りつつ、「一軍でバッターにビビって、フォアボールばっか出したら知らないよとも言われました」と苦笑い。「良い先輩で良い鏡というか、タイプも似てると思う。健二朗さんに追い付けるように、そしていつか追い越せるように頑張っていきたいなと思います」と師匠超えでの恩返しを誓った。
横浜高校出身で生まれも育ちも横浜の“生粋のハマっ子左腕”。横浜スタジアムへの思いも人一倍強い。「今年6年ぶりに投げさせて頂いて、やっぱりいい球場だなと思いました。野球をやって以来神奈川を離れたことがないので、凄い思い入れもあります」と目をギラつかせた。
石川は元々ドラフト上位候補にも名前が上がっていた有望株。高く評価されていたポテンシャルを地元・横浜の地で解き放つ。
取材・文=萩原孝弘