夜王・ロメロ
マリーンズファンならば、エンニー・ロメロがナイトゲームに強いということを、薄々気づいているかもしれない。
6月27日のソフトバンク戦(東京ドーム 18時試合開始)に先発し、7回を投げ4安打無失点の好投で今季6勝目を手にした。
ロメロは5月こそ5試合・24回2/3を投げ、1勝4敗、防御率5.11と苦しんだが、3・4月は4試合・26回1/3を投げて2勝0敗、防御率0.34。6月は3試合・21回を投げて3勝0敗、防御率0.43という成績だった。
3・4月と6月は月間防御率0点代と驚異の安定感を見せたロメロだが、3・4月の4試合、6月の2試合はいずれもナイトゲームでの先発。6回1失点に抑えた6月18日の日本ハム戦は14時試合開始のデーゲームで、18時試合開始に先発した6月の2試合は15回・無失点だった。
特に今季はナイトゲームでの成績が素晴らしく、6試合・41回1/3を投げ自責点1、4勝0敗、防御率は0.22という圧倒的な投球を見せている。3月29日のソフトバンク戦、3回一死二塁の場面で三森大貴に適時打を許したのを最後に、ナイトゲームでは39イニング自責点がない。
▼ ロメロのナイトゲームでの投球内容
3月29日vsソフトバンク(18時30分試合開始)7回 自責1
4月5日vs日本ハム(18時試合開始)6回 自責0
4月12日vsソフトバンク(18時試合開始)7回 自責0
4月22日vsオリックス(18時試合開始)6回1/3 自責0
6月9日vs中日(18時試合開始)8回 自責0
6月27日vsソフトバンク(18時試合開始)7回 自責0
ロッテ移籍1年目の昨季も18時試合開始の先発は1試合あり6回を投げ1失点、17時試合開始の先発は2度あり13回を投げて自責点はわずかに1だった。17時試合開始の先発もナイトゲームに含めれば、昨季も3試合・19回を投げて、防御率0.95。ロッテに移籍してからは、ナイトゲームに相性が良いということがわかる。
ナイトゲームでこれだけの数字を残しながらも、デーゲームは苦手にしており、成績を落とした5月は4試合全てデーゲームでの登板だった。
ロメロを支える佐藤の存在
ロメロを支える女房役の佐藤都志也の存在を忘れてはならない。今季、ロメロが先発した12試合全てでマスクをかぶる。
佐藤はロメロについて「リズムよく投げさせることが一番いいと思っている」と話すように、試合中の佐藤の動きをよく観察するとロメロが投げ終わったあと、すぐに返球している。
今季ある打者に対して、全球スライダー勝負で全打席三振に抑えたことがあった。
「勝負はスライダーというところになってくるので、どこかでストレートを見せた方がいいのかなと思ったりはしました。ロメロの状態というか、イニング終わって色々話していくなかで、まずは抑えたいというところから入っていった。なので、スライダー、スライダー、スライダーになっていったかなと思います」。
「ただ、そのあとZOZOマリンでやったときは逆にそのスライダーを狙われている。そこは話し合いの中で、まっすぐ見せていかないと。逆にスライダーを狙われたときにああいう形になると、試合が終わった後に話しをしたりしています。そこは、共同作業かなと思います」。
佐藤がしっかりと支えているからこそ、ロメロが安定した投球を披露し続けているのだろう。
7月に入れば土日も17時や18時試合開始の試合が多くなり、必然的にナイトゲームが増える。ますます“夜王”ロメロがチームを勝利に導く登板が多くなりそうだ。
文=岩下雄太