ロッテの成田翔は4月20日の西武戦で失点したのを最後に14試合連続無失点、6月は打者24人と対戦して被安打0に抑えるなど、ファームで抜群の安定感を誇る。
「一軍の中継ぎで左があまりいないので、ワンポイントというポジションをしっかり取るというつもりでキャンプに入りました」。
プロ7年目の今季こそ“一軍定着”を目指し、迎えた春季キャンプでは「毎日投げるポジションではあるので、練習を考えながら入っていきました」と連日ブルペン入り。
練習試合、オープン戦でも一軍で実戦登板し、3月11日の西武とのオープン戦では0-1の6回一死一塁の場面で先発・二木康太の後を受けてマウンドに上がり、昨年9月に通算2000安打を達成した栗山巧を1ボールから2球目のストレートで投併に打ち取った。“左”のワンポイント、一軍生き残りへアピールしていたが、右打者に対して被打率.412(17-7)と課題を残し、開幕一軍入りとはならなかった。
ファームでも3試合連続で失点を喫するなど、ピリッとせず。4月終了時点の被打率は左打者が.188(16-3)に対して、右打者は.400(20-8)と右打者に打ち込まれることが多かった。
その原因について成田は「春先はシュートが得意だったので、シュートを多投していた。シュート一辺倒になったら簡単に打たれていた部分がある」と説明した。
4月苦しんだ成田だが、5月以降は13試合・11回1/3を投げ、被安打2、8奪三振、5与四死球、自責点0、防御率0.00と復調。
「(安定した)要因はスライダーが自分のなかでしっくりきている。そのスライダーでカウントだったり、自分の思うように操れているのかなと思います」。
うまく操れている要因について具体的に「自分のなかでリリースの仕方だったりを去年と変えている。そこがうまくハマっているのかなと思います」と明かした。
4月までは球が高く浮き痛打されるケースも多かったが、5月以降は左打者には内と外にしっかりと投げ分けられ、右打者に対しても大きく曲がるスライダーを有効に使えているように見える。
「左バッターに対してのインサイドは死球でもいいかなというくらいで投げている。今年は死球率が高いんですけど、そこは気にせず特徴だと思って投げています」。成田が話したように今季5つ死球を与えているが、そのうち4つが左打者。この死球数は、成田が攻めにいった証でもある。
右打者に対しても5月24日の西武戦では、2-3の7回一死一塁、若林楽人に1ストライクからの2球目外から大きく曲がり体に当たりそうなスライダーで空振りを奪うなど“大きいスライダー”に、バックドアのスライダーも素晴らしい。
「大きいスライダーだったり、右にインコースにカットボールも使っているので、そこをうまく併用しながら投げています」。
奪三振率も「スライダーが以前よりもうまく操れているからだと思います」と例年に比べて高い。
取材中に何度も口にした“スライダー”が、成田の投球面を支えている。一軍は“勝利の方程式”で投げる益田直也、ゲレーロ、東條大樹をはじめ、小野郁、西野勇士、オスナと右投手が多い。そして右打者、左打者関係なく、1イニングを投げきれる投手が揃っている。春先に比べて安定してきたブルペンではあるが、長いシーズン何が起こるかわからない。
「左バッターをずっと抑えるということは変わらずに、一軍に呼ばれたときは左バッターだけは確実に抑えるというつもりで、練習はしています」。成田はいつ一軍に呼ばれても良いように準備をしている。
▼ 成田翔の月間成績
3・4月:8試 2勝0敗 8回1/3 被安11 振7 与四死6 防7.56
5月:4試 0勝0敗 4回 被安2 振5 与四死1 防0.00
6月:9試 0勝0敗 7回1/3 被安0 振3 与四死4 防0.00
取材・文=岩下雄太
「一軍の中継ぎで左があまりいないので、ワンポイントというポジションをしっかり取るというつもりでキャンプに入りました」。
プロ7年目の今季こそ“一軍定着”を目指し、迎えた春季キャンプでは「毎日投げるポジションではあるので、練習を考えながら入っていきました」と連日ブルペン入り。
練習試合、オープン戦でも一軍で実戦登板し、3月11日の西武とのオープン戦では0-1の6回一死一塁の場面で先発・二木康太の後を受けてマウンドに上がり、昨年9月に通算2000安打を達成した栗山巧を1ボールから2球目のストレートで投併に打ち取った。“左”のワンポイント、一軍生き残りへアピールしていたが、右打者に対して被打率.412(17-7)と課題を残し、開幕一軍入りとはならなかった。
ファームでも3試合連続で失点を喫するなど、ピリッとせず。4月終了時点の被打率は左打者が.188(16-3)に対して、右打者は.400(20-8)と右打者に打ち込まれることが多かった。
その原因について成田は「春先はシュートが得意だったので、シュートを多投していた。シュート一辺倒になったら簡単に打たれていた部分がある」と説明した。
4月苦しんだ成田だが、5月以降は13試合・11回1/3を投げ、被安打2、8奪三振、5与四死球、自責点0、防御率0.00と復調。
「(安定した)要因はスライダーが自分のなかでしっくりきている。そのスライダーでカウントだったり、自分の思うように操れているのかなと思います」。
うまく操れている要因について具体的に「自分のなかでリリースの仕方だったりを去年と変えている。そこがうまくハマっているのかなと思います」と明かした。
4月までは球が高く浮き痛打されるケースも多かったが、5月以降は左打者には内と外にしっかりと投げ分けられ、右打者に対しても大きく曲がるスライダーを有効に使えているように見える。
「左バッターに対してのインサイドは死球でもいいかなというくらいで投げている。今年は死球率が高いんですけど、そこは気にせず特徴だと思って投げています」。成田が話したように今季5つ死球を与えているが、そのうち4つが左打者。この死球数は、成田が攻めにいった証でもある。
右打者に対しても5月24日の西武戦では、2-3の7回一死一塁、若林楽人に1ストライクからの2球目外から大きく曲がり体に当たりそうなスライダーで空振りを奪うなど“大きいスライダー”に、バックドアのスライダーも素晴らしい。
「大きいスライダーだったり、右にインコースにカットボールも使っているので、そこをうまく併用しながら投げています」。
奪三振率も「スライダーが以前よりもうまく操れているからだと思います」と例年に比べて高い。
取材中に何度も口にした“スライダー”が、成田の投球面を支えている。一軍は“勝利の方程式”で投げる益田直也、ゲレーロ、東條大樹をはじめ、小野郁、西野勇士、オスナと右投手が多い。そして右打者、左打者関係なく、1イニングを投げきれる投手が揃っている。春先に比べて安定してきたブルペンではあるが、長いシーズン何が起こるかわからない。
「左バッターをずっと抑えるということは変わらずに、一軍に呼ばれたときは左バッターだけは確実に抑えるというつもりで、練習はしています」。成田はいつ一軍に呼ばれても良いように準備をしている。
▼ 成田翔の月間成績
3・4月:8試 2勝0敗 8回1/3 被安11 振7 与四死6 防7.56
5月:4試 0勝0敗 4回 被安2 振5 与四死1 防0.00
6月:9試 0勝0敗 7回1/3 被安0 振3 与四死4 防0.00
取材・文=岩下雄太