○ DeNA 6x - 5 広島 ●
<17回戦・横浜>
延長までもつれた真夏の熱戦。ロングゲームに終止符を打ったのは、ハマに欠かせぬ男・宮﨑敏郎の真骨頂の一打だった。
5-5で迎えた延長11回、DeNAは先頭の桑原将志が四球で出塁し、楠本泰史はキッチリと送りバント。佐野恵太が申告敬遠で歩くと、牧秀悟はレフト前に運び一死満塁の絶好機を迎え、宮﨑敏郎が打席に向かった。高まる球場のボルテージとは裏腹に、2球連続でストレートを冷静に見逃した3球目、藤井黎來が投じた149キロの外角直球をしっかりとライト前に弾ませ、4時間10分のロングゲームにケリをつけた。
お立ち台では「ゲッツーだけは打ちたくないなと…(笑)そういう気持ちで打席に入りました」とおどけながらも、「みんながヒーローだと思う。全員で勝ち取った勝利だと思います!明日も勝てるように頑張ります!」と宣言し、おそろいのユニフォームに身を包んだベイファンから大拍手が送られた。
三浦大輔監督は「最後宮﨑がああいうところで勝負強く決めてくれた。よくやってくれました」と絶賛していた。
殊勲の打席について、宮﨑は「みんなが繋いでくれた打席だったので、なんとかうしろにつなぐ気持ちでした」と振り返り、「僕はあんまり(テンションを)上げて行くと絡まっちゃうタイプなんで、平常心を保とうっていうのはあります」と、リラックスが好結果に繋がったと明かした。
サヨナラの一振りは「アウトコースだったんで逆方向に上がってくれればいいな」と反応。研ぎ澄まされた狙いのもと、しっかりとライト前に打ち返した。
連日の猛暑も「嫌いな方ではない」と話し、「水風呂や寝やすい温度にするなど、気をつけています」と対策も万全。歓喜のウォーターシャワーも「寒くはなく、ちょうどよかったですね」と笑顔を弾ませた。
この日の劇的勝利で後半戦は連勝スタート。「勝つことで勢いが出る。まずは連勝が出来て良かったと思います」と中心選手らしい言葉を並べた宮﨑敏郎。昨年オフに6年契約を結び“生涯横浜”を誓った男のバットが、ここから横浜を押し上げていく。