2022.08.09 18:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 3 | 終了 | 2 | 阪神タイガース |
横浜 |
○ DeNA 3x - 2 阪神 ●
<17回戦・横浜>
エース同士が先発し、ジリジリとした展開の2位3位対決。試合を決めたのは大田泰示の研ぎ澄まされた一打だった。
2-2で迎えた9回、先頭の楠本泰史が粘って四球をもぎ取ると、嶺井博希の送りバント失敗で嫌な流れとなったが、この日スタメンの宮本秀明が1球でスコアリングポジションに送る犠打でサヨナラのお膳立てに成功。代打に送った宮﨑敏郎が申告敬遠で歩くと、三浦大輔監督は勝負強い大田泰示を代打に指名した。初球のフォークがワンバウンドし、一・三塁とチャンスは拡大。押せ押せムードの中、2球目のカットボールをレフト前に運び、横浜スタジアムに歓喜の瞬間が訪れた。
先発の今永昇太は9イニングをひとりで投げ切り2失点。「相手の青柳投手が日本一のピッチャー。なんとか投げ負けないように長くマウンドにいたいという気持ちで投げました」とエースらしいピッチングを披露した。
ピッチャーの今永を含め左打者を7人並べた打線は、今季3戦3敗と苦手にしていた青柳晃洋に対し5回終了時点で100球を投げさせる嫌らしい攻撃で、6回降板に持ち込んだ。スタメン改造により代打陣も充実し、6回にはタイラー・オースティンの内野ゴロで同点とし、最終回の連続代打策も見事にハマる番長采配も光った一戦だった。
横浜スタジアムで3度目のお立ち台に上がった大田は「宮﨑さんが申告敬遠されるのはわかっていたので、なお緊張して。とにかくバットに当てて前へ飛ばすことだけを考えていました。(今永)昇太に勝ちがついてよかった」と笑顔。最後は決めゼリフの「横浜最高!」とともに拳を天に突き上げた。
今季5度のサヨナラ勝ちのうち大田が決勝点に絡んだのは3度目。殊勲打の打席は「チャンスだし、2アウトだし、甘い球少ないし、自分が打てると思った球を仕留めるだけ」と感性を研ぎ澄ませ、「しっかりやることが決まって全うできた」と安堵の表情。「球場が一体となって、仲間が応援してくれて、みんなで一つの勝ちに対してこれだけ一体になれる瞬間は、やっていて気持ちのいい瞬間ですし、野球の醍醐味です!」と喜んだ。
また、「ジャイアンツから始まり、野球を14年やってきた中で、色々な経験と色々な指導者に出会って、色々な考え方、野球に対する気持ちの持ちようだったり、色んなものを教えて頂いた中で、そういうものが生きてきて自分の引き出しの中にしっかり入り込んでいること、積み重ねてきたものが自分のいい準備ができることに繋がっている」と、これまでのプロ野球人生を振り返り、「失敗のほうが多いスポーツなので、失敗に向き合って改善する。まだまだ緊張したり失敗することがあるんで、これからも向上心を持ってやっていければ」と目をギラつかせた。
三浦監督も「勝負強いところ。しっかり決めてくれました」と殊勲打の大田を絶賛。「スタメンじゃなくてもベンチを鼓舞してくれる。出るときはしっかり準備してやってくれている。日頃からやってるからこそ、ああいうところで打てる」と“仕事人”を賛えた。
これで貯金1、阪神と0.5ゲーム差まで追い上げた三浦ベイスターズ。暑い8月に一気に反撃の体制を整えていく。
写真・取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)
<17回戦・横浜>
エース同士が先発し、ジリジリとした展開の2位3位対決。試合を決めたのは大田泰示の研ぎ澄まされた一打だった。
2-2で迎えた9回、先頭の楠本泰史が粘って四球をもぎ取ると、嶺井博希の送りバント失敗で嫌な流れとなったが、この日スタメンの宮本秀明が1球でスコアリングポジションに送る犠打でサヨナラのお膳立てに成功。代打に送った宮﨑敏郎が申告敬遠で歩くと、三浦大輔監督は勝負強い大田泰示を代打に指名した。初球のフォークがワンバウンドし、一・三塁とチャンスは拡大。押せ押せムードの中、2球目のカットボールをレフト前に運び、横浜スタジアムに歓喜の瞬間が訪れた。
先発の今永昇太は9イニングをひとりで投げ切り2失点。「相手の青柳投手が日本一のピッチャー。なんとか投げ負けないように長くマウンドにいたいという気持ちで投げました」とエースらしいピッチングを披露した。
ピッチャーの今永を含め左打者を7人並べた打線は、今季3戦3敗と苦手にしていた青柳晃洋に対し5回終了時点で100球を投げさせる嫌らしい攻撃で、6回降板に持ち込んだ。スタメン改造により代打陣も充実し、6回にはタイラー・オースティンの内野ゴロで同点とし、最終回の連続代打策も見事にハマる番長采配も光った一戦だった。
殊勲の大田、3度目の「横浜最高」
横浜スタジアムで3度目のお立ち台に上がった大田は「宮﨑さんが申告敬遠されるのはわかっていたので、なお緊張して。とにかくバットに当てて前へ飛ばすことだけを考えていました。(今永)昇太に勝ちがついてよかった」と笑顔。最後は決めゼリフの「横浜最高!」とともに拳を天に突き上げた。
今季5度のサヨナラ勝ちのうち大田が決勝点に絡んだのは3度目。殊勲打の打席は「チャンスだし、2アウトだし、甘い球少ないし、自分が打てると思った球を仕留めるだけ」と感性を研ぎ澄ませ、「しっかりやることが決まって全うできた」と安堵の表情。「球場が一体となって、仲間が応援してくれて、みんなで一つの勝ちに対してこれだけ一体になれる瞬間は、やっていて気持ちのいい瞬間ですし、野球の醍醐味です!」と喜んだ。
また、「ジャイアンツから始まり、野球を14年やってきた中で、色々な経験と色々な指導者に出会って、色々な考え方、野球に対する気持ちの持ちようだったり、色んなものを教えて頂いた中で、そういうものが生きてきて自分の引き出しの中にしっかり入り込んでいること、積み重ねてきたものが自分のいい準備ができることに繋がっている」と、これまでのプロ野球人生を振り返り、「失敗のほうが多いスポーツなので、失敗に向き合って改善する。まだまだ緊張したり失敗することがあるんで、これからも向上心を持ってやっていければ」と目をギラつかせた。
三浦監督も「勝負強いところ。しっかり決めてくれました」と殊勲打の大田を絶賛。「スタメンじゃなくてもベンチを鼓舞してくれる。出るときはしっかり準備してやってくれている。日頃からやってるからこそ、ああいうところで打てる」と“仕事人”を賛えた。
これで貯金1、阪神と0.5ゲーム差まで追い上げた三浦ベイスターズ。暑い8月に一気に反撃の体制を整えていく。
写真・取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)