二軍公式戦デビュー
「公式戦ということで、刺激があったという感じがします。また、ソフトバンク戦はまっすぐオンリーで対決したんですけど、昨日の試合は変化球をまじえて対戦しました。まず、中継ぎということでマウンドに慣れるところからスタートしないといけないなというのが一歩目だと思っています」。
7月31日のソフトバンクとの二軍練習試合で実戦デビューしていたロッテの育成ルーキー・永島田輝斗が9日の巨人との二軍戦で、初めて公式戦のマウンドに上がった。
2-12の9回に登板し、先頭のウレーニャを143キロのストレートで二ゴロに仕留め、公式戦初のアウトを奪う。この時、ウレーニャの打球が永島田の足に直撃し一旦ベンチに下がる。再びマウンドに戻ってきたが、香月一也、秋広優人に連続四球を与えたところで降板となった。
「自分の持ち味であるまっすぐが走っていなかった。そういうところでは課題がまだまだあるなと感じました」。
9日の登板では右打者のウレーニャに対して三塁側プレート、左打者の香月、秋広に対しては一塁側プレードを踏んで投げていた。何か意図があったのだろうかーー。
「最初は三塁側の方を使っていたんですけど、深く掘れていて自分の足場が合いませんでした。なので、一塁側の方を使って、自分の球が投げられるように工夫しました」と臨機応変に対応。特に右打者に対して三塁側プレート、左打者に一塁側プレートと使い分けているわけではなく、普段は三塁側プレートを踏んで投げているとのことだ。
また、ウレーニャの打球が永島田に直撃したが、「大丈夫です」と特に問題なく10日の試合前練習にも参加した。
ストレートの精度アップを目指す
永島田は9日の巨人との二軍戦では12球中11球がストレートで、香月への初球のみスライダーを投じた。
スライダー、フォーク、カーブの3球種を持ち球にしているが、「その3つを投げわけたいなというのはあるんですけど、9日の試合でわかったようにストライクが入らずまっすぐで苦戦しました。まずはまっすぐでコントロールがついて、そのなかで1球種、スライダーだったらスライダーだったり、フォークだったらフォークでその2球種で勝負していきたいというのが今の思いです」と、変化球よりもストレートに力を入れている。
ストレートの精度を上げるために、「練習のなかでネットスローを入れて見たり、自分で壁当てをしにいったりとか、シャドーして自分のフォームがしっかりできている確認しながら毎日練習頑張っています」と工夫を凝らす。
また高校時代は「横の時間を長くタメの時間を作らないと速い球を投げられないと思ったので、そういうところを意識して重点的におこなってきました」と春季キャンプの取材で話していたが、現在も「それも継続しながら新たなことにも挑戦しているという感じです」とプライオボールを使ったトレーニングや、チューブで肩周りのトレーニングなどを新たに取り入れた。
「今はまっすぐなので、変化球よりまずは、まっすぐのコントロールをつけないといけないので、まっすぐの質をあげているなという感じです」。
体重もアップ
体づくりに関しては「入寮した時は(体重が)83とか85くらいしかなかったんですけど、90キロまで体重があがって筋肉量もどんどん増えてきた。ウエイトをやっている効果が出てきているのかなと思います」と手応えを掴む。
高校時代にあまり行ってこなかったウエイトトレーニングも、「この筋肉に効かせなければいけないということもわかってきました。結構勉強になっています」と話す。
その一方で、「まだ下半身ががっちりしていないです。ピッチャーは下半身だと思うので、ウエイトと投げることが連動されるように、ウエイトもしっかりやっています」と自身の課題点にも向き合っている。
「1イニングでも多く投げさせてもらえるようにするためには、コントロールをよくしなければ試合に投げられない。しっかりと人より練習して頑張っていきたいと思います」。プロのスタートを切った永島田が今後、どのような成長曲線を描くか今から楽しみだ。
取材・文=岩下雄太