○ オリックス 3× － 2 日本ハム ●
＜24回戦・京セラD大阪＞

　オリックスが延長12回までもつれた激戦をサヨナラで制し、連敗を2でストップ。他球場で勝った首位ソフトバンクにはマジック11が点灯したが、逆転優勝への望みをつなぐ大きな白星を掴み、首位とのゲーム差2をキープした。

　両チームともに1－1の均衡を破れない中、オリックスは8回に代打・西野真弘の適時打で勝ち越したが、9回にクローザーの平野佳寿が1点差を追いつかれセーブ失敗。連敗中のオリックスにとっては逃げ切り失敗で2試合連続の延長戦突入という苦しい展開だった。

　それでも、10回から山﨑颯一郎、ワゲスパックがそれぞれ1回無失点で繋ぎ、12回は小木田敦也と吉田凌の2人で3つのアウトを稼ぐ執念の継投。6回1失点で降板した先発の山岡泰輔も含め、最終回まで12イニングリードを許すことはなかった。

　すると12回裏、一軍昇格即スタメンで約1カ月ぶりの一軍出場となった太田椋が左中間二塁打でチャンスメークすると、続く杉本裕太郎は空振り三振に倒れたが、1番・佐野皓大に代わる代打・若月健矢が右翼フェンス直撃の決勝打。劇的決着で4試合ぶりの白星を掴み、優勝へのマジック11が点灯した首位ソフトバンクとのゲーム差2をキープした。

　試合後、中嶋監督は「12回まで勝てたことが全て」と第一声。引き分け目前の状況で白星を掴みきり、「（残り試合数が）少ないわけだから（引き分けとは）全然違う」と語った。

　8回勝ち越しに続き、12回サヨナラと代打の采配が的中したが、「代打は代打でホントに難しいと思いますし、ホントに打ってくれたなと思うんですけど、先にいるメンバーがしっかり打たなきゃいけないというのをもうちょっと強い気持ちでゲームに入っていかなきゃいけない」と、スタメン起用した選手の奮起を求め、「もう一段階、二段階、上のことを考えなきゃいけないと思っているので、もう10試合しかないわけですから、絶対後悔して欲しくないので、思い切ってやって欲しい」と話した。

　2試合続けて中継ぎ陣が踏ん張りを見せたことに関しては「仙台からよく頑張ってます。息切らさないようにしたいんですけどね。ここが勝負どころなんで、思い切っていろいろいきます」と、投打ともに適材適所を模索しながら起用を続けていく方針を示した。

　逆転連覇へ残されたチャンスも残り10試合。16日の日本ハム戦で弾みをつけ、週末に控えるソフトバンクとの首位攻防3連戦に臨みたい。

取材・文＝どら増田