今年も見せつけた「和」の力
ヤクルトはホームでDeNAにサヨナラ勝ち。
最後はルーキーの一打で0-0の接戦に終止符が打たれ、この瞬間にヤクルトの優勝が決定。2年連続9度目のリーグ制覇を成し遂げた。
ヤクルト・小川泰弘とDeNA・今永昇太の投げ合いでゼロ行進となった緊迫した一戦。
終盤戦は互いに勝ちパターンの投手をつぎ込み、9回表まで17個の「0」が並んだ。
迎えた9回裏、先頭のホセ・オスナが執念の内野安打で出塁すると、中村悠平が送って一死二塁。一打サヨナラの場面を作る。
打席には守備から途中出場のルーキー・丸山和郁。相手が左腕のエドウィン・エスコバーだったため代打も考えられた中、2球目の速球を逆らわずに弾き返すと、打球は弾丸ライナーでショートの頭上へ。
左中間真っ二つの適時二塁打で、二塁から代走・塩見泰隆が生還。ヤクルトが劇的な形で試合に決着をつけ、2年連続9度目の優勝を掴んだ。
高木豊氏「“信じる力”の強さ」
25日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、当然ヤクルトの優勝がメイントピックスとして伝えられた。
ヤクルトの強さについて、高木豊氏は「高津監督も言い続けてきた『和』という言葉。チームの『和』が崩れなかったというところ」と語り、快進撃だけでなくコロナ禍で苦境も過ごしながら、チーム一丸で重圧に打ち勝った姿を称賛。
加えて、「高津監督をずっと追いかけて見ていて、“信じる力”が強いなと」とコメント。「最後の場面も丸山をそのまま打たせましたけど、代打という考えもあったと思うんですよね。だけどそのまま送り出したと」と、この試合でも目立ったのが選手への信頼だった。
「この試合以外でも、例えばリリーフで田口(麗斗)が頑張ってきた中、少し調子を落とした時には久保(拓眞)を抜擢したりということがありましたよね。久保を育てて、さらに大事な場面で久保を信じると。そういった“信じる力”が印象的で、だからこそ選手たちも期待に応えてくれるんだろうなと思いました」と高木氏。
昨年優勝の戦力だけでなく、適材適所で新たな力を取り入れ、信じて送り出した。この積み重ねが連覇という大きな結果につながったと解説した。
阿波野氏「見事なブルペンワーク」
また、同じく番組に出演した阿波野秀幸氏は今年のヤクルトについて、「村上の圧倒的な力というのは皆さんもご存知だと思いますが、その他の打撃陣だったり、投手力と言う点で見るとそこまでズバ抜けたものがあるわけではないんですね」と分析。
その中で混戦を突き抜けることができた要因として、「ブルペンワークですよね。リリーフ陣を上手く起用していて、ここは高津監督の手綱さばきは見事だった」と先発・中継ぎを合わせた投手陣の運用を強みとして挙げた。
阿波野氏は続けて、「先ほど高木さんも久保の話をしましたけど、今年は勝ち試合でも当然のように田口や清水昇、抑えのマクガフ以外の投手も起用したりしていましたよね。そういった積み重ねでみんなが自信をつけて、それが優勝につながっていたのかなと」とコメント。
安定した強さの裏に、強固な“信頼関係”あり。高津ヤクルトが優勝決定試合でも「和」の力を見せつけた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』