「気の毒でしたね…」
楽天はホームで西武に0-1で敗戦。
クライマックスシリーズ出場を争うライバルに敗れただけでなく、先発した岸孝之にとっては古巣相手の通算150勝がかかるマウンドだったが、8回1失点の力投も報われず敗戦投手となった。
楽天・岸、西武は今井達也という“背番号11”の投げ合いで静かに進んだこの試合。
0-0で迎えた5回表。この回も岸は先頭のブライアン・オグレディを三振に斬ってひとつ目のアウトを奪ったが、続く9番・平沼翔太に投じた3球目のチェンジアップが甘く入ってしまう。
コンパクトなスイングで捉えられた打球は、弾丸ライナーでライトスタンドへ。痛恨の被弾で1点を失い、岸はマウンド上で思わず膝に手をついた。
それでも、今季中の通算150勝を目指す右腕は100球を超える8回もマウンドへ。先頭の平沼に安打を浴び、犠打で一死二塁とピンチを迎えたが、源田壮亮と森友哉を仕留めてピンチ脱出。8回1失点の力投を見せる。
しかし、打線が今井の前に8回までゼロ行進と沈黙。9回は平良海馬に抑え込まれ、0-1で敗戦。3位・西武との差は「1.5」に開き、岸には今季10敗目(8勝)がついた。
28日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した真中満氏も「今日はちょっと気の毒でしたね。防御率も3.19ですから、8勝10敗が逆でも全然おかしくないんですが……」と力投の右腕を称える。
番組MCを務めた野村弘樹氏も「おそらくレギュラーシーズンは最後の登板となりますから、今日で150勝で区切ってまた来年へとしたかったところでしょうが……」と歯がゆい心中を察した。
プロ16年で積み上げてきた白星は「149」。プロ入りから8シーズンで7度の2ケタ勝利をマークするなど、大卒初年度から順調に勝利を重ねていったが、楽天移籍後は2018年に11勝を挙げたのが最後の2ケタ勝利で、ここ2年は2ケタ黒星と勝ち運に泣いているシーンも目立つ。
来季は区切りの150勝をキッカケに、2シーズン続く年間負け越しという嫌な流れを止めることができるか。背番号11の逆襲に期待したい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』