○ オリックス 4x - 3 ロッテ ●
<25回戦・京セラD大阪>
ロッテは優勝、CS進出の可能性が消滅してしまったが、若手野手が必死に一軍で居場所を掴もうとアピールしている。
ロッテは9月29日にレアード、荻野貴司、角中勝也といったベテランの主力選手を一軍登録抹消し、9月30日にルーキーの池田来翔、高卒2年目で今季途中に支配下選手登録となった山本大斗が一軍昇格。
30日のオリックス戦のスタメンも30代の選手が中村奨吾、井上晴哉だけで、フレッシュなメンバーで挑んだ。
▼ 9月30日のオリックス戦スタメン
1(中)髙部瑛斗[24歳]
2(左)藤原恭大[22歳]
3(指)中村奨吾[30歳]
4(三)安田尚憲[23歳]
5(一)井上晴哉[33歳]
6(右)山口航輝[22歳]
7(二)池田来翔[22歳]
8(遊)茶谷健太[24歳]
9(捕)松川虎生[18歳]
先発:本前郁也[24歳]
※年齢は2022年9月30日時点
0-0の初回二死走者なしから中村が二塁打で出塁すると、4番・安田尚憲がセンター前に弾き返す適時打で、今季5戦5敗と苦戦している山本由伸から幸先よく先制点を奪う。
ロッテ打線は中5日で先発している山本に対し、2回は茶谷健太が左中間を破る二塁打、3回は安田がこの日2本目となるセンター前の安打を放ち、5回は先頭の髙部瑛斗がセンター前安打で出塁し、続く藤原恭大の一ゴロで髙部を二塁へ進めるも1点が遠い。6回も先頭の井上が四球で出塁したが、山口、池田が連続三振、茶谷も三ゴロに倒れ無得点。
それでも1-2の7回、先頭の髙部がこの日2本目のセンター前安打で出塁すると、2番・藤原の打席中に二塁盗塁を決め、藤原がレフト前に落ちる安打で二塁走者の髙部が同点のホームを踏んだ。
2-3の9回はオリックスの守護神・平野佳寿の前に簡単に2アウト。それでも、代打・佐藤都志也がショートへの内野安打、続く髙部の四球で一、二塁とすると、藤原がこの日2本目となるライト前の適時打で同点に追いついた。
試合はサヨナラ負けを喫したが、優勝を争うオリックスのエース・山本由伸、守護神・平野佳寿から若手野手を中心に得点したことに意味がある。
特に高卒4年目の藤原のここ最近の活躍は来季に向けて明るい材料だ。30日のオリックス戦でも2本の適時打を放ったが、28日の日本ハム戦でも今季第1号を含むマルチ安打と現在2試合連続マルチ安打中。9月6日の西武戦からスタメン出場した5試合すべてで安打を放ち、その間の打率は.444(18-8)だ。
今季は一、二軍を行き来することが多かったとはいえ、昨季も7・8月度に月間MVPを獲得したように、一軍で活躍できるだけの力は持っている。あとは短期間だけでなく、シーズン通して結果を残せるかだ。これは藤原だけでなく、安田、山口、佐藤、茶谷など他の若手選手にも当てはまる。
安田、山口がオールスター明け活躍しているとはいえ、シーズントータルで見ると好不調の波があり、現状で完全にレギュラーをモノにした若手野手は大卒3年目の髙部瑛斗のみ。髙部はオープン戦で12球団トップの打率を残し、シーズンが開幕してからも結果を残し続け、盗塁数はリーグトップの44、安打数はリーグ2位の147本は立派な数字だ。
野手は投手に比べて、一軍の投手に対応するまでに時間がかかるので、成長速度が少し遅くなってしまうのは、ある意味仕方がないこと。ただ期待されているうちに結果を残さないと、新人選手、外国人選手といった他の選手にレギュラーポジションを奪われてしまう可能性があるのも事実。ロッテは2年間みっちりファームで鍛えた西川僚祐、山本大斗が控えており、その山本は9月30日のオリックス戦で一軍デビューを飾った。来年以降、一軍のポジション争いに参戦してくるだろう。
ロッテは優勝、CSの可能性が完全に消滅したとはいえ、一軍定着を目指す若手には消化試合はない。残り1試合、与えられたチャンスで結果を残し、来季に繋がる希望を、いつも熱い応援でサポートしてもらっているマリーンズファンに見せる必要がある。
文=岩下雄太
<25回戦・京セラD大阪>
ロッテは優勝、CS進出の可能性が消滅してしまったが、若手野手が必死に一軍で居場所を掴もうとアピールしている。
ロッテは9月29日にレアード、荻野貴司、角中勝也といったベテランの主力選手を一軍登録抹消し、9月30日にルーキーの池田来翔、高卒2年目で今季途中に支配下選手登録となった山本大斗が一軍昇格。
30日のオリックス戦のスタメンも30代の選手が中村奨吾、井上晴哉だけで、フレッシュなメンバーで挑んだ。
▼ 9月30日のオリックス戦スタメン
1(中)髙部瑛斗[24歳]
2(左)藤原恭大[22歳]
3(指)中村奨吾[30歳]
4(三)安田尚憲[23歳]
5(一)井上晴哉[33歳]
6(右)山口航輝[22歳]
7(二)池田来翔[22歳]
8(遊)茶谷健太[24歳]
9(捕)松川虎生[18歳]
先発:本前郁也[24歳]
※年齢は2022年9月30日時点
0-0の初回二死走者なしから中村が二塁打で出塁すると、4番・安田尚憲がセンター前に弾き返す適時打で、今季5戦5敗と苦戦している山本由伸から幸先よく先制点を奪う。
ロッテ打線は中5日で先発している山本に対し、2回は茶谷健太が左中間を破る二塁打、3回は安田がこの日2本目となるセンター前の安打を放ち、5回は先頭の髙部瑛斗がセンター前安打で出塁し、続く藤原恭大の一ゴロで髙部を二塁へ進めるも1点が遠い。6回も先頭の井上が四球で出塁したが、山口、池田が連続三振、茶谷も三ゴロに倒れ無得点。
それでも1-2の7回、先頭の髙部がこの日2本目のセンター前安打で出塁すると、2番・藤原の打席中に二塁盗塁を決め、藤原がレフト前に落ちる安打で二塁走者の髙部が同点のホームを踏んだ。
2-3の9回はオリックスの守護神・平野佳寿の前に簡単に2アウト。それでも、代打・佐藤都志也がショートへの内野安打、続く髙部の四球で一、二塁とすると、藤原がこの日2本目となるライト前の適時打で同点に追いついた。
試合はサヨナラ負けを喫したが、優勝を争うオリックスのエース・山本由伸、守護神・平野佳寿から若手野手を中心に得点したことに意味がある。
来季こそ安定した活躍を
特に高卒4年目の藤原のここ最近の活躍は来季に向けて明るい材料だ。30日のオリックス戦でも2本の適時打を放ったが、28日の日本ハム戦でも今季第1号を含むマルチ安打と現在2試合連続マルチ安打中。9月6日の西武戦からスタメン出場した5試合すべてで安打を放ち、その間の打率は.444(18-8)だ。
今季は一、二軍を行き来することが多かったとはいえ、昨季も7・8月度に月間MVPを獲得したように、一軍で活躍できるだけの力は持っている。あとは短期間だけでなく、シーズン通して結果を残せるかだ。これは藤原だけでなく、安田、山口、佐藤、茶谷など他の若手選手にも当てはまる。
安田、山口がオールスター明け活躍しているとはいえ、シーズントータルで見ると好不調の波があり、現状で完全にレギュラーをモノにした若手野手は大卒3年目の髙部瑛斗のみ。髙部はオープン戦で12球団トップの打率を残し、シーズンが開幕してからも結果を残し続け、盗塁数はリーグトップの44、安打数はリーグ2位の147本は立派な数字だ。
野手は投手に比べて、一軍の投手に対応するまでに時間がかかるので、成長速度が少し遅くなってしまうのは、ある意味仕方がないこと。ただ期待されているうちに結果を残さないと、新人選手、外国人選手といった他の選手にレギュラーポジションを奪われてしまう可能性があるのも事実。ロッテは2年間みっちりファームで鍛えた西川僚祐、山本大斗が控えており、その山本は9月30日のオリックス戦で一軍デビューを飾った。来年以降、一軍のポジション争いに参戦してくるだろう。
ロッテは優勝、CSの可能性が完全に消滅したとはいえ、一軍定着を目指す若手には消化試合はない。残り1試合、与えられたチャンスで結果を残し、来季に繋がる希望を、いつも熱い応援でサポートしてもらっているマリーンズファンに見せる必要がある。
文=岩下雄太