最終戦を締めくくり“胴上げ投手”に
オリックスが楽天戦(楽天生命)で勝利し、ソフトバンクがロッテ戦(ZOZOマリン)で敗れたため、両チームが同率で並んだ結果、規定により直接対決でソフトバンクに勝ち越しているオリックスが2年連続の逆転優勝を飾った。
3点差で迎えた最終回。中嶋聡監督は守護神の平野佳寿ではなく、プロ2年目ながら来月には30歳を迎えるオールドルーキー阿部翔太をマウンドに送った。阿部は先頭の代打、銀次を二ゴロに打ち取ると、続く小深田大翔は空振り三振。渡邊佳明は左飛で打ち取り、三者凡退でチームを勝利に導く。するとその約2分後にソフトバンクが敗れたため、結果的に阿部が“胴上げ投手”になった。
「いやぁ。めちゃくちゃ緊張しました」とシビれる場面での登板について振り返ると、「でも前の回に2点入ったので、ちょっとは楽になったんですけど、『行く』って言われた時にはホントに心臓が飛び出るんじゃないかと思った」とマウンドに上がる直前の心境を語った。
胴上げ投手に選ばれたことについては、「ホントに最後に任せてもらえたのは中嶋監督のおかげだと思います。昨年チームに全然貢献できなかったので今年は何とか貢献できたことが、ご褒美じゃないですけど、最後にマウンドに上げていただいたのかなと思います」と中嶋監督へ感謝の意を述べた。
1年目の昨シーズンは怪我もあり4試合で防御率7.36と苦しんだが、今季は44試合に登板し、防御率0.61を記録するなど勝ちパターンの一角を担いリーグ連覇に貢献。2年目に大きく飛躍した右腕はポストシーズンでも活躍するはずだ。
取材・文=どら増田