シーズン終盤から序列上げてきた剛腕リリーバー
22日(土)に開幕する『SMBC日本シリーズ2022』。パ・リーグの代表は2年連続でオリックスに決まった。
今季終盤に勝利の方程式に繋ぐ役割を担った宇田川優希は、クライマックスシリーズでもチームを勝利に導く活躍を見せた。
シリーズ突破が決まった第4戦は、打球直撃の影響を受け4回で降板した山岡泰輔からバトンを受けて、2番手として登板。5回から2イニングを無安打、3三振、無四球、無失点のパーフェクトピッチングで、ソフトバンク打線をねじ伏せた。
今年7月に育成から支配下登録された大卒2年目の右腕は、150キロ台後半の直球と落差のあるフォークボールを武器に、オリックスの鉄壁な中継ぎ陣の一角を担っている。
一軍のブルペンに入り「平野(佳寿)さんの投球を見て、フォークでカウントをとることが分かった」と話していた通り、CS第4戦でも「フォークがよく決まっていたので、自分的には楽なピッチングが出来た」という。
緊急登板や試合を立て直す場面での登板も多く、今回も難しいシチュエーションでの登板となったが、「勝ち越した後の投球でしたけど、そこで特に荒れてというのがなかったので、そこは自分でも良かったのかなと思う」と本人はいたって冷静だった。
「ブルペンで投げている時は凄く緊張している」そうだが、「(肩を)作り終わってマウンドまで行く時に気持ちの整理をして、マウンドに立ったら、そんなめちゃめちゃ緊張するというわけではないので、マウンドに立ったら冷静になれます」。どんな場面でも心を整え登板できることも、宇田川のパフォーマンスを支えている要因の一つだろう。
中嶋聡監督は「選手が自分でつかんだポジション。それを離さないというか、チームにも選手にもプラスになった」と話していたが、宇田川は自らの力で現在のポジションをつかんだ一人。「最初は負けてる場面が多かったんですけど、そこから勝っている場面でも使っていただけたので、そこで段々、自分的にもいろいろなピンチを乗り越えてきたのもあって、自信になりました」と今年は大きな成長を実感できた1年だった。
ヤクルトとの日本シリーズに向けては「村上(宗隆)選手だったり、山田哲人選手だったり、いいバッターがいると思うんですけど、変わらず強気な自分のピッチングをしたい」と真っ向勝負を誓った。近未来の守護神候補にかかる期待は大きい。
取材・文=どら増田