2022.10.22 18:30 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 5 | 終了 | 3 | オリックス・バファローズ |
神宮 |
先頭にストレートの四球で不穏な空気も…
2年連続の顔合わせとなったヤクルト対オリックスの『SMBC日本シリーズ2022』第1戦は、セ・リーグ王者のヤクルトが5-3で勝利。球団史上初の日本一連覇を目指す高津スワローズが、ホームで先勝する好スタートをきった。
ヤクルトは相手先発の山本由伸から4回までに4得点を奪ったものの、先発マウンドを託された小川泰弘も苦しい投球が続き5回2失点で降板。6回以降は粘りの継投で逃げ切る試合展開だった。
2点リードの6回、そのリリーフ投手陣の先頭をきってマウンドに上がったのが、今季ブレークした大卒2年目右腕の木澤尚文。持ち前のパワーピッチで一気に流れを呼び込みたいところだったが、いきなり先頭の9番・若月健矢にストレートの四球で出塁を許し、不穏な空気が漂い始める。
それでも、ここで一塁手のホセ・オスナがマウンドに歩み寄り、日本シリーズ初出場だった若き右腕に一声。すると木澤は落ち着きを取り戻したのか、後続を打ち取り1イニング無失点に抑える好投。田口麗斗、清水昇、スコット・マクガフと、勝ち継投に繋ぐ重要な役割を務め上げた。
22日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した野球解説者の大矢明彦さんは、木澤の投球について「力みすぎて一生懸命投げすぎたと言っていい」と不安定な内容だったと指摘しつつ、「それでも6回という1イニングをゼロで抑えられた。あの1イニングが大きかった。この後の継投が思ったようにいきましたからね」と振り返った。
また、オスナが声を掛けたシーンについても言及し、「おそらく木澤は口の中がカラカラだったと思うんでね、オスナが行って少し間をとってくれたのは大きかったと思う」とコメント。会話の内容に関わらず、何気ない一呼吸が木澤を救ったとの見解を示した。
さらに、「僕が一番流石だなと思ったのが、あの後、中村の構えている位置がほぼ真ん中だった。この近辺に狙ってもらえばどっちかに散るだろうと、ギリギリに構えなくなった。これがけっこう功を奏したと思います」と女房役のサポートも光ったと分析した。
かつてヤクルトの背番号27を背負って日本一に輝いた大矢さんは、配球のみならず“構え”でも投手をリードする中村の働きを称賛。昨年の日本シリーズでMVPに輝いた“扇の要”は今年もチームを牽引している。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』