「あれ見送れるか……?」
『SMBC日本シリーズ2022』は23日に神宮で第2戦が行われ、5時間を超える激闘の末に3-3で引き分け。
先勝したヤクルトは序盤からホームが遠く劣勢の展開だったが、9回に代打・内山壮真が試合を振り出しに戻す同点3ランを放ち、ひと振りでチームを救った。
0-3で迎えた9回裏、5番手の阿部翔太に対して宮本丈の安打と塩見泰隆の四球で無死一・二塁のチャンスをつくると、高津臣吾監督は投手の今野龍太のところで内山を代打に送る。
今季74試合に出場してステップアップを果たした高卒2年目の20歳は、2ストライクと追い込まれながらも冷静にボールを見極め、6球目の速球をフルスイング。打球はあっという間にレフトスタンドへと吸い込まれた。
シーズン4本塁打の有望株が土壇場で放った最高の輝き。なお、20歳3カ月の「日本シリーズ代打弾」は史上最年少というオマケ付だという。
そのままサヨナラ勝ちとはならなかったものの、敗戦まであとアウト3つというところから持ち込んだ価値あるドロー。これで対戦成績はヤクルトの1勝1分となっている。
23日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、内山の一撃は大きく取り上げられた。
解説者の高木豊氏はこの打席について「追い込まれるまでは雰囲気なかったんですよ。外のフォークとカットでタイミングも合っていなくて」と振り返りつつ、ポイントに挙げたのが"4球目と5球目"。
「2球続いたフォークを見逃したんですよね。あれ見送れるか?って」と驚きの声。つづけて「いや、1球は見れても、2球目は打ちに行って空振りとかはある。それを完全に見切っていたので、すごい度胸をしているなと」とし、あの大舞台で、それも初打席で見せた冷静な対応に熱い視線を送った。
これには江本孟紀氏も「この後、9回の3アウト目がオスナの空振り三振だったんですが、それもフォークなんですよ。やっぱりあの球は振るんですよね」と今シリーズ絶好調なオスナでも手を焼くボールだったことを強調。
「ストレートを読み切ったのかなと思いますが、そんな伏線もあって本塁打につながったかなと」と語り、同じように20歳の一撃を称賛した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』